198.マロンの新しい能力(2)
「普通に扱うよ。だって
オレの発言に、傭兵達は反論しなかった。逆に強面連中がにやりと笑ったので、リシャールがビビってるぞ。
オレは使うと言ったら、どんな物でも者でも使うぞ。コネや金で動かせるなら遠慮なく利用する。そんな主義を知ってる連中は、さすがに付き合いが長くなってきたので理解したようだ。
「で、ドラゴンを操れる聖獣は誰?」
ヒジリは目を逸らす。ブラウは欠伸し、コウコは『本当に?』と不安そうだ。この場で一番突き抜けた反応を見せたのはスノーだった。
『マロンですよ』
金属で鍋や包丁を作る以外にも能力があったらしい。操れる……もしかして、ドラゴンを追い立ててきた時も使ったのか?
夕暮れが近づく空が赤く色づき始めたため、順番を組み立てる。
食事の用意、南の兵達のテント確認、ドラゴンの洗脳についてマロンと話し合って、いけね……リシャール達の扱いも決めなくちゃ。
レイルがシフェルが動いたって言ってたし、ここで数日動かないと、懸賞金目的の連中も押し寄せるから担当を決めて。
やることが多過ぎた。溜め息をついて、それぞれにサブリーダーを作ることにする。
「おーい! 担当者を決めるぞ!!」
ぱっと手元の作業を止めて集まるあたり、傭兵達は仕事になると頼れる。公私の区別の付け方がえげつない。
「食事はノアに任せる。向こうのテントやベッドの確認と管理はサシャ……でいいか。ケガ人の関係もあるから、誰か補佐に入って」
「俺がいく」
ライアンが名乗りを上げたので頷いた。
「リシャール達の監視は」
「任せろ」
ジャックが声と同時に拳を突き上げたので、見張りだけだと言い聞かせた。気合が入ってる時のジャックは危ない。渋々頷いてる様子から、オレが消えたら何する気だった? 気付いたら折れてたとか言って足をポキっとやりそうだ。
「絶対に手を出すなよ。傷が増えてたら、ジャックの責任だからな!!」
しっかり念を押した。信頼に足る人物なんだが、ある意味一番危険かも知れない。オレを保護対象と見做してるから、害を為すと感じたら排除に走る――あ、ヒジリと同じタイプだ。
「ええ?! 逃げようとしたらどうするんだ」
「逃すな」
ぼそっと返したら、また悪魔だと罵られた。頑張ってるのに、オレへの評価酷くねえか?
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