19.***目守***
『我が息は
国津神に連なる直系の血は、呪詛の黒い霧を刻みながら大地を清めた。
『もう足りるであろう』
「いや、まだだ」
止血しようとした
「あれは『
呪詛によく使用される手段だ。
「華炎」
『これ以上は認められん』
塞がろうとする傷を開くために刃を求めれば、華炎は首を横に振った。半分は人の身である以上、大量の血を失えば命が喪われる。主の命と都の清めならば、主を取るのが式神だった。
「
『お断りいたします』
丁重に、しかし断固とした意志を示して拒絶する。
「しかたない。オレの霊力でこの場を固定する。黒葉と華炎、華守流で供物を排除してくれ」
供物の箇所は四方なので、急いで回らなければならない。顔を見合わせる守護者と式神だが、この場を守る存在がいなくなる事態に懸念を示した。主の
『真桜様、私は』
残ると言い掛けた黒葉に、別の声が答えた。
「俺が守護に残ろう」
白い衣を翻したアカリは
「俺の存在に代えても
言い切ったアカリの後ろで、藤姫がゆったり頭を下げた。
『私も供物を
4つの供物と1人の主。すべてに対処できるだけの数が揃った瞬間だった。
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