第7話『新選組血風録』司馬遼太郎
新選組隊士各々を主人公に据えた、全15編の短編集です。
1年ほど前に『燃えよ剣』を読んだことがありましたが、もともと歴史好きというのもあって『燃えよ剣』がきっかけで本格的に新選組にどハマり(笑)新選組に関する本を買ったり、京都の八木邸(新選組の元屯所)に行ったり、はたまた京都で新選組デザインのスマホカバーまで買ってしまったり(笑)ちなみに一番の推しは土方さんです。
さて、今回読んだこの本ですが、近藤、土方、沖田など有名どころの隊士だけでなく、上に述べた三人ほど有名ではない人物も、それぞれの短編で主人公となっています。
新選組といえば、よく殺人集団なんて呼ばれることもありますが、確かにこの本に載っているどの短編もほぼ全部血生臭いシーンが出てきます。敵の不逞浪士はもちろんバンバン斬ってますが、隊士は隊内で「士道不覚悟」と見なされたら、絶対に切腹・断首・密殺の何れかになります。すっごい怖いです。多分私が幕末の少々剣の腕に自信のある男に生まれていたら……ビビりなんで絶対新選組には入らないです。入ったら多分斬り合いで死ぬよりも先に、「士道不覚悟」で切腹になりそう……。
そんな厳しい鉄の掟で縛られた新選組ですが、隊士だって人の子。恋もすれば怒りもするし、家族を大事に思うこともある。そんな人間臭い隊士たちの姿を、15の短編から垣間見ることができます。
私が特に気に入った話は、「長州の間者」と「沖田総司の恋」。
「長州の間者」は、とある女との縁で長州の間者として新選組に入った男の話。最後の場面が壮絶で、一番印象に残りました。
「沖田総司の恋」は沖田が医者の娘に恋をする話。明るくて爽やかな青年・沖田の描写に惚れ惚れしたというのも気に入った理由の一つですが、好きな娘のことを土方に隠そうとする沖田と、沖田にいらん世話を焼いちゃう近藤と土方の姿が微笑ましい。まあ、焼いちゃったいらない世話の結果がシャレにならなかったので微笑ましいどころではないんですけど。
他の話もそれぞれ個性があって面白かったです。どうしても史実をもとにしているので、個人的にオチがしっくりこない部分もありましたが、新選組隊士たちの日常を覗きみているみたいで、ちょっと不思議な気分になりました。
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