第5話『鳥羽伏見の戦い 幕府の命運を決した四日間』野口武彦
1868年1月3日から6日にかけて行われた、新政府軍と旧幕府軍の戦い。それが世に言う鳥羽伏見の戦いです。
この本ではこの鳥羽伏見の戦いについて、実際に戦場を見た人のつづった臨場感溢れる資料などを引用しながら、ドラマチックにまとめてあります。
それにしても、今まで断片的にしか知らなかった鳥羽伏見の戦いのことが、この本を読んで一発で分かったのでとても勉強になりました。さらに、結構生々しい資料の引用が多いので、戦場の臨場感がひしひしと伝わってきてなかなかに緊張感を持って読めました。
今年は明治150年と言っていろいろ盛り上がっておりますが、つまり鳥羽伏見の戦いからも150年なんですよね。150年って3桁ですし長く感じますけど、歴史というもっと大きな視点から見ると案外短いんじゃないかと私は思っています。
今から73年前が第二次世界対戦が終わったあたり。現在でも、まだ第二次世界大戦が行われていた時にすでに生まれていた方は存命中です。そして、終戦の1945年から数えて77年前が、鳥羽伏見の戦いが起こった1868年に当たります。私の祖父母はどちらも80歳を超えているので戦争体験者ですが、二人が子供だった頃は鳥羽伏見の戦いはだいたい70年前の出来事だったわけです。こう考えると、あれ、150年前って割と最近…って思うのは私だけでしょうか?
とにかく、遠いようで近そうな鳥羽伏見の戦い。四日で集結した戦いですが、とんでもなく濃い四日間だ!というのが今回紹介している本を読んだ私の感想です。
最初、慶喜はワンチャン新政府入りできそうだったんです。それがこの戦いで全部ひっくり帰ってしまった!
そもそも鳥羽伏見の戦いの引き金が、薩摩藩邸焼き討ちだったそうですが、これ裏で西郷さんがこうなるように仕組んでいたみたいなんですよね。小学生レベルな感想ですが、なんかすごいですね西郷さん。部下に江戸で悪さするよう仕向けてたので、悪いと言えば悪いことしているんですけど。
そんなこんなで鳥羽伏見の戦いが始まるわけですけど、開幕早々旧幕府軍は劣勢に立たされます。間で新政府軍にも痛手を与えますが、史実で知られている通り、結局は負けてしまします。
本で詳しく述べられていますが、様々なアクシデントや判断ミスなどが敗因に繋がってしまったみたいです。
全体の感想としては、こうした四日間の戦の過程が順を追って丁寧に書かれていて、わかりやすく、非常に読み応えのある本でした。また、慶喜が江戸へ逃亡してしまったことや大阪城の炎上、伝習隊がシャスポー銃を使っていたかどうかなどの考察も書かれていて、非常にボリュームがありました。
今回は図書館で借りた本だったのですが、手元に置いておきたくなったので今度本屋さんに探しに行ってみようかと思います。
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