エピローグ

 葉月・志登はづき・しとは恋をしていた。


 自分が好きな女性が、他の男性を好きだと知っていた。


 だが、葉月・志登はづき・しとは、彼女の願いを、望むことを叶えるために、恋のおまじないを彼女に教えた。


 しかし、葉月・志登はづき・しとは間違っている。


 恋と戦争にはルールが無いと、誰かが言っていた。


 私はそのことを小太郎こたろうくんの件で思い知らされることになる。


 葉月・志登はづき・しとも、思い知っただろう。欲しいのであれば、望むのであれば、奪い取らねばならないと。




志登しと紫苑しおんの花言葉を知ってる?」


「知らへんなあ? 今度、書斎にある本で調べてみるわ」


志登しとの嘘つき……。紫苑しおんの花言葉は『あなたを忘れない』だ。


あの日の出来事を志登しとは未だに思い出しては、私に文句を言ってくるくせに。

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恋と偏差値は比例しない受難曲(パッション) ももち ちくわ @momochi-chikuwa

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