ハコラジ‼︎(とあるドライバー達の戯言)

@ネオン

第1話 道交法71条五の五

テッテレ、テッテレテッテ〜♪

「もっしも〜し。ヒロ君おはよ〜。」

ヒロ君とは僕の名前である。

また、いつもいつも何かと心配してくれてるんだか心配させられてるんだか分からない長年の相棒こそ、スマホの向こうから気怠そうに語りかけてくる雄ちゃんである。

「おはよー、雄ちゃん!」

「あぁ…っ、師匠おはようございます。」

「おぉ!マツモ〜ンおはよ♪」

そして、僕の事を何故か師匠と呼び続けるマツモン(松モン)は雄ちゃんのパートナーである。


僕がトラックドライバーという職種に就いて早…、数えるのをやめておこう…。


トラックドライバーという職業は、〔気楽な職業〕・〔高給取り〕・〔ガラが悪い〕というイメージが強いですが、この中で唯一正しいのは〔ガラが悪い〕だけです。


しかし、じゃあ悪い奴ばかりか?と訊かれれば、まずそれは無い。大半は〔ガラが悪く見える〕だけで、仕事と時間に追われて顔や服装、トラックに気合い入れて頑張ってる方ばかりなんです。

そんな中で、平均8時間も毎日通話しながら周りに流されずにユル〜く仕事をしているのが僕と雄ちゃんなのである。


ちなみにタイトルの〔ハコラジ〕とは、僕と雄ちゃん・松モンの3人による造語であり、ハコはトラックのキャビンを表し、ラジは深夜ラジオよりもハイテンションで通話を続けている事から命名されました。


雄「ヒロ君〜、ちょっと待ってて〜。」


ガサガサッ…ピュイーン…ガサガサッ。

松「あぁ、雄ちゃんアレですね。宇宙人になってます(笑)」


ヒロ「電池切れ?」


ここでいうアレというのは、Bluetoothイヤホンの事である。これが無いと道路交通法71条五の五に違反する事になり違反切符を切られてしまうのです。


ガサッ…コンッ…。

雄「はい、ただいま〜。」

松・ヒロ「おかえり〜。」

雄「バッテリー無くなったから、予備のBluetoothに代えた〜(笑)」


お互いに一つは充電、もう一つは通話。と常に2つを常備している為、途中でガサガサと音がし出すと充電中の物と通話中の物を交換し、通話を再開。


免許あってのトラック稼業。世間のイメージが悪過ぎて何とも言えないが、実は意外と気を使って仕事をしてるんです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ハコラジ‼︎(とあるドライバー達の戯言) @ネオン @ne0n

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ