♦陣営考察:モナリザ・アライって何者?
何者と言われても、元ネタはよく饂飩を捏ねてるあれですね。同一人物かどうかはともかくとして。
いや、そうじゃなくて、個人的にこのキャラはいろいろ興味深い設定が多いと考えています。本来であれば、負け犬アベンジャー様に根掘り葉掘り聞くのが手っ取り早いのですが、今回はあえて独自の考察で突っ走ってみましょう。
そもそもアライ社長は「現社長」で、今回の戦争はアライ社長にスポンサーが不信任決議を叩きつけたことがきっかけ(だったと思う)。
つまり、今まで1991支社のトップはこの人だったわけです。
アライさんはいわゆるクールビューティーなキャリアウーマン的印象で、その上未成年。これだけ聞くと実力主義でバリバリ出世したのかと思いきや……実はハト派で、能力はさほどでもない。むしろ、その実直な人柄で周囲の人が自然に彼女を持ち上げる…………まるで漢王朝初代皇帝劉邦のような子。未成年で支社の社長とかスゲー。
ぶっちゃけ私は、はじめこいつの陣営を勝たせればいいのかと思ったくらい、主人公してます。(つーか、企業利益的に考えて、それ以外の陣営で対抗馬になりそうなのがソリティア・ウードくらい)
社長戦争の公約も、絵にかいたような平和協調路線で、ひょっとしたら現地民から一定の支持があるのではないかとも考えられます。
が、
ここで問題になってくるのが、1991支社が支配する世界の状態です。
設定集を見ていただければわかります通り、カンパニーの支配地はほぼデストピアで、その上カンパニーは世界各地に喧嘩を売りまくってます。
世界観設定は、あくまで戦場の特徴づけを出すものなので、細かい突っ込みは野暮というもの。むしろこれくらい荒れていた方が、ぶっ壊すのに良心の呵責がいらないので助かってます。私はすでに作中で村人をマッチョマンに変え、キューブ山の一部を吹き飛ばしてますしおすし。
じゃあだれがこんな世界にした?
犯人はアライさん、あなたです!
おーけー、まだ慌てる時間じゃない。
なぜ心根優しい彼女が、このようなデストピアを作り上げてしまったのか。今回はそこのところを勝手に考察していきましょう。
説その1:アライさんマジ天使(当社比)説
統計は、作者の都合によってどうにでも見せられる。誤差を大きな差と言い張り、実際は大きく違うのに差はわずかという。魔法の言葉「当社比」
つまりアライさんは「カンパニー内」では比較的穏健派だが、こっちの世界から見ると暴君と変わらないじゃん説。よーするに、彼女が生きる世界は、この統治でもまだ手ぬるい方なのだろう。現地住民にもきちんと「飴」あげてるしね! イギリスの植民地統治も日本の植民地統治も、やり方に差はあれど「植民地」であるのは一緒、みたいな。
ぶっちゃけこの説が一番苦しい。これを選ぶと、逆説的にカンパニーの人間に我々一般でいう「良識人」は皆無ということになる。あと、なんでアライさんがスポンサーの不興を買ったのか説明がつかない。もっと搾り取れということか?
説その2:アライさん傀儡説
実はアライさん、特定の派閥に祭り上げられたお神輿ではないかという説。
元ネタが元ネタなので、外面だけ取り繕って、あとは下の人間が好き勝手やっている現状が今の状況と考える。当然そんなことしていれば、本部やスポンサーは激おこぷんぷん丸で「解任しろ!」と叫びたくなること請け合い。なにしろ1991支部が「ファンタジー世界の残骸」と言われるくらいの焼き畑農法経営なので、このままの統治だといずれ行き詰ることは確定的に明らか。
この場合、むしろスポンサーは結構な良識人たちの集まりで、彼らが最も公平性の高い♠陣営のヘッドであるリンドを持ち出した理由付けになると思われる。ソリティアとビンインはむしろ統治が悪化しそう。
この説の難点は、アライさんが無能化していること。あるいみフーダニットよりたちが悪い。もはや劉邦ではなく劉禅。
ちなみに、この説に基づいて作成したキャラが「白き淑女エンリーク」の存在。♦陣営は「種族的に」人外ばっかしなので、人間に対する良心の呵責というのが存在しない可能性がある。あるいはパーク時代の怨恨説か……
説その3:アライさん田沼意次説
この説は、アライさんを文面通り「いい奴」と仮定することから始まる。
アライさんが心根優しく、身内の支持が高く、おまけに現地住民との融和を考えているのに、なぜカンパニーがこのような仕打ちをしているのか。それは、アライさんがまだ支社長への着任が浅く、前社長の負の遺産がガッツリ残った状態だから。アライさん自身は、この現状を何とか変えるべくいろいろ動いており、このまま社長を続ければ世界は平和になるとする大胆な説。
この説を補強する手がかりとして、設定集に「根本的なカンパニーの方針とはそりが合わず、特に内外に傷つけつような事柄を嫌う傾向になる」という一文が目に付く。逆に、不信任を突きつけたスポンサーは、アライさんの改革を止めようとする悪い奴ら。もっと言えば、こいつらはたぶん♣か♥陣営の重鎮。
たとえアライさんこの戦争を勝ち抜いたとしても、確実にフーダニットの恨みを買う羽目になるので、結局現地住民との和解は難しいかもしれないが、長い目で統治すれば平和になるし、支社の利益もきっと上がる。まさに大団円。(この場合フーダニットは、最終的に政治的な生贄になって殺される可能性が高いが…………)
これに基づいて作成したのがヴェリテ、ネイ、アルトイリスの三名。しかし、この説にはある意味重大な欠陥があった。
それは……………私があらかじめ作成したヴィランたちの存在意義が狂う!
なぜなら、この場合アライさんは改革者であり、♠陣営が保守派という形に落ち着く。しかし、私はヴィランのキャラたちを「保守派」としてしまった。これは完全に私の勘違いで、世界観が出てくるまで1991支社世界は比較的平和な状態だと思い込んでいた。なぜかと言えば「モナリザ・アライが現社長だから」。私は途中までてっきり
♦……保守派:無難に経営している奴ら
♣……改革派:今の経営に不満がある奴ら
♥……利益派:会社を私物化しようとする奴ら
♠……日和見:アライさんは嫌いだけど、ほかも嫌だという奴ら
みたいに考えてました。なので、我が家の♦陣営のヴィランは比較的気のいい連中がそろっている……はずです。理不尽とかいるけど。
しかしふたを開けてみれば、1991世界は悍ましきデストピア。あれ、アライさんって現社長じゃなかったっけ? あれ? じゃあ保守派って悪い奴らじゃね?
………………やっちまったぜ! とはいえ、今更設定を大きく変えることはできないので(特にアルトイリス)、ここで新たな説を提案してみましょう。
・南木説(2と3の折衷案)
基本的に、アライさんはいい人であり革新派である。これは説3をとる。しかし、アライさんは結局能力的に周囲を頼らざるを得ないのは説2から。
ここで視点を変えて、どこかにある本社から1991支社を見た場合、どう評価するかに注目する。社長がワタミみたいな人物だったらアレだが、アメリカの金融会社のCEOみたいな合理的な人物なら、1991支社はもはや搾りかす……つまり、世界征服し終わって絞るだけ絞ったら、支社はたたむ気でいた、とする。そこまでいかなくとも、1991支社は大手銀行にとっての地方出向でしかないというもの。
ところが、適当にアライを社長にしたら、今まで隠してきた牙を急にむき出しにして、カンパニーの経営方針を変えるとほざき始める。しかも奴らのバックにはヴェリテをはじめとする実力派が付いてる。やべえ謀反だ、不信任しなきゃ(使命感)
というわけで、この戦争は「アライさんとゆかいな仲間たちの独立を阻止する」のが真の目的であり、本社的にはアライさん以外ならだれが社長になってもいいというスタンスという、これまた大胆な説になる。フーダニットが勝ったらどうするかって? 約束を反故にすればいいんじゃね(適当)
私がこの説をとっているのは、この戦争があくまで「社内政治」の延長線上であり、此処でアライのやり方を容認すると、カンパニー全体の利益にかかわるという考えをもとにしているから。たとえ謀反しなくても、アライさんが社長だと、本社への上納が減りかねない。4桁以上ある支社の社長一人決めるのに、此処まで大規模な戦争をするのは、カンパニーが本気だからという証に他ならない。
さて、いざ戦争ということになり、代理という名の鉄砲玉を集めにかかるわけですが、此処でアライ陣営が懸念するのは、自分たちの陣営が、ほかの陣営から集中砲火を食らう恐れがあること(実際に食らったのはJとなぜか♣だけど)。よって、少しでも数を集めるために、何でもいいから片っ端から登用すること。だから♦陣営には妙に癖が強いのが大勢集まっている。
あと、♦陣営も一枚岩ではなく、純粋に社長を慕っているヴェリテやネイ、アライを傀儡としか見ていないエンリーク、たまたま利益が合致したアルトイリスなど、一歩間違えれば空中分解の危険もはらんでいる…………ぶっちゃけ、これマフィアややくざの内部抗争だ。
それに「保守派」の説明も、今の日本を見てみれば、改憲勢力が「保守」で護憲勢力「革新」なので、そんなノリで通していけばOK! これで完璧!
そんなわけで、ファラの世界の♦陣営はこうした考察に基づいて動かしております。あらかじめご了承を。
…………ぶっちゃけ、ヴェリテとエンリークが誰にも使われなければ、説その3が最も有力なのは内緒。
宝石箱は砕けない 南木 @sanbousoutyou-ju88
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