第2話 海

というわけで、まやとふたりで海に来た。

時期もあって、人は殆どいない・・・


「わたしたちの貸し切りですね」

「うん」

「プライベートビーチみたいですね」

まやは嬉しそうだ・・・来てよかったな・・・


「今度は、夏に来ましょうね」

「遠慮しておく」

「どうしてですか?」

「泳げない」

「私が教えてあげますよ」

まやは、駄々をこねる。


まやは水辺で、はしゃいでいる・・・

俺はそれを眺めている・・・

「楽しそうだな・・・」


もし、まやと恋人関係なら、どんな感じかな・・・

いけない、いけない、叶わない夢をみるのはよそう・・・


そう自分に言い聞かせた・・・


まやは楽しそうだが、そろそろ帰らないとまずい・・・

「まや、帰るぞ」

「えっ、もうですか?」

まやは言うことを聞かないい・・・


「今日は、俺がご飯をつくるから」

「本当ですか?塁さんの手料理は最高なんです。帰りましょ」

現金だな・・・


帰りの電車の中で、まやが訊いてきた。

「何を作ってくれるんですか?」

「ビーフシチュー」

「塁さんの、ビーフシチューは最高です。」

まやは嬉しそうだった・・・


このままの関係は、続かない・・・

でも、少しでも長くいたい・・・


そういう感情が芽生えていた・・・




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