第3話 奇妙な子供

「......う...あれ...ここは....?」



目が覚めるとそこには薄暗い奇妙な空間が広がっていた。上か下かもよく分からない。まるで宙に浮かんでいる感覚を味う宗助は必死で地面を探そうと手足を動かしていると、



「お前が我を目覚めさせたのか。」



自分の後ろから突然低い重圧のある声が聞こえてきた。啓介はとっさに後ろを振り向くとそこには色白の子供が立っていた。年齢的には12,3歳の見た目をしているが明らかにただの子供ではないことがすぐにわかった。


何故なら頭の右横からは角、背中には黒い羽根らしきものが生えていたのである。


「えっと、、、君は誰?」



宗助は恐る恐る聞いてみた。するとその子供は口を開き、



「我か?我はお前が開けたあの箱の中に封印されていたものだ。」



まるで王様と話をするかのような口調で子供は語りかけてきた。


すると子供はまた口を開き、



「動揺するのも無理もない、なにせお前は別世界から来たようだからな」



その言葉にさらに驚愕した啓介はその子供に詰め寄り



「別世界ってどういうことだよ!俺はただ見かけない通路を通っていただけで、、、、、、」



「それが異世界へ繋がる道だったんだよ、少年」



きっぱりと子供は言った。何が何だかまるで分からない。そんな非科学的なことが本当に存在するのだろうか。思考を整理することに必死な宗助とは裏腹にその子供は突然、



「ではいきなりで悪いがお前の身体の一部を頂くぞ。」



「は?」



声と同時に一瞬で啓介の目の前に現れ、宗助の右腕を掴んだ。すると、、、



ブチブチブチィィィ!!!!!



右腕がまるで新聞紙を破るかのように簡単にちぎられた。



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!」



ちぎられた右腕からは血も出ないし痛みもない。だが、余りにも突然の事に宗助は腰を抜かしてしまった。するとちぎれた部分に何処からともなく現れた塵芥が集まり始め、一瞬のうちに腕ができてしまった。しかしその腕には異様な痣が浮き出ており、明らかに今までの自分の腕ではないことが瞬時に分かった。



「な....何だよこの腕の痣は....!?」



「これで俺とお前の契約は完了した。喜ぶがいい少年、君はこれで常人を超越した力を手に入れた。」



「力って、、、一体お前は何なんだよ!!!!」



「それは後々分かるさ、、、。さぁ、そろそろ目覚める時間だ。」



プツン



その言葉を聞いてまた意識が途切れた。



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