第4話芽生えだした恋心

俺は、しばらく沢城とイケメンが、並んで歩いてる光景が頭から離れなかった。

俺は、いつの間にか、沢城のことが好きになっていたが、窓の外を眺めてる。

沢城が転校してくる前の俺に戻っていた。

「涼介!この問題解いてみろー。おーい、涼介ー、聞いてるのかー?」先生が俺のところに来て、教科書で俺の机をコンコンと叩いた。

「先生、なんで人は恋をしたら、こんなにも苦しいんですかね。」なんの前触れもなく質問した俺に、先生は驚き、裕貴は俺の方を見ながらニヤニヤし、クラスがザワ付き始めた。

「……。いいから、この問題解いてみろ。話は後で聞いてやる。」

俺は、勉強ができるかできないかで言うと、平均よりはできる方だった。

教壇に行き、黒板に計算式と答えを書いて席に戻った。

「涼介、正解だ。みんなもここテストに出るから覚えて置くようにー。」

沢城が、俺の方を見て、びっくりしたような顔をしていた。

「涼介くん、すごいね!涼介くんに、勉強教えてもらおうかな。」ニコニコしながら、俺に話しかけて来た沢城に対して、俺は生返事をしてしまった。

「あぁ、いいよ。後でちょっと聞きたいことあるから、休暇時間いいか?」

俺は、沢城と、イケメンのことが頭でいっぱいで、それどころではなかった。

チャイムがなり、沢城に話を聞いた。

「なぁ、沢城、最近一緒に登校してるイケメン、あれ誰なんだ?」

彼氏でもない俺が、何をいきなり聞いてるんだと、心の中で自分に突っ込んだ。

「あの人、私の従兄なの、従兄もこの学校に転校してきたんだよね。」

俺は、それを聞いて、ホッとした。

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