第五話「告白」

(そろそろ…だな)

直人は仕事中に香織の姿を見ながら、ある事を考えていた。

「加藤先生、資料を渡してきました」

「ありがとう」

「あっ飯田」

「はい」

「仕事が終わったら、暇か?伝えたい事があるんだ」

「分かりました」

(なんだろう?伝えたい事って?)


「加藤先生…待ちましたか?」

「大丈夫だ」

「そうですか。あの…話したいことってなんですか?」

「…君の事が好きなんだ。付き合ってくれるか?」 

「え?」

香織は直人の告白を聞き、顔が真っ赤になった。

「好きって…?私ですよ?」

「そうだ」

「どうしてですか?」

「君の笑顔と仕事に対する真面目さ、そして優しさが好きなんだ」

「飯田は…俺のことどう思うんだ?」

「私は加藤先生のこと好きです。患者さんのことを第一に考え、いつも笑顔でいてくれる加藤先生のことが好きです」

直人は香織の本音が聞けて、嬉しかった。

「飯田…これから名前で呼んでもいいか?」

「は…はい、いいですよ。私も加藤先生の名前、呼んでいいですか?」

「ああ…もちろんだ」


「これからよろしくな、香織」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

二人はお互いを見つめ、ゆっくりと手を繋いだ。






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