第二話「秘密」

(このままでもいいだろうか...。あの笑顔を失ってしまうかもしれない。

だが...それでもー)

「君に伝えたい」

直人には秘密がある。

(いつまでも経っても、このままじゃいけないよな...)

「受け入れてくれるだろうか...」

直人は部屋の中で悩んでいた。果たして、彼女にあの事を伝えるべきだろうか。

「今は…このままにしよう」


「おはよう」

「おはようございます。加藤先生」

いつもこの笑顔を見るのが好きだ。

優しくて、ホッとさせる笑顔。

「あれ?先生...少し辛そうですよ?」

「そうか?気のせいだ」

「そうですか...何かあったら言ってくださいね」

「うん」


「飯田」

「はい」

直人はとっさに香織に手紙を渡した。

「一人でいる時に読んでくれ」

「分かりました」


「まさか、加藤先生から手紙が...でも、どうして?」

休憩時間の時に、香織は手紙を読んだ。

「え?嘘...」

「加藤先生が...あんなことを」

(嘘だと信じたい。でも...この手紙はー)

心の中で香織は疑問と不安を抱えていた。


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