第20話 「サキュパス」
前回のあらすじ
第10のダンジョン「大回廊」からドラゴンで飛び立ってから数時間後、何者かに、ドラゴンが襲撃された。
ドラゴンは魔法は何とか第10領域魔法「ヒール」で一命はとりとめたが、頭には二本の弓矢が刺さっている。
僕は呆気なく、襲撃者を倒し、ドラゴンを安全な森の中へ連れていくのだった。
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この森はとても神秘的な造りになっている。
木は高く、とても綺麗な鳥の囀りや、木が揺れる音。
全てが合わさっている。
「ドラゴン……」
森の中にある、少し開けた平地にドラゴンが横倒れる。
長旅に疲れているなか、冒険者の攻撃から僕たちを守ってくれた。
絶対死なせやしない!
だが、僕はSPが尽き、アウラも疲れてとても回復魔法が使えない状況だ。
このままドラゴンを放置していたら、1時間もたたないうちに、死んでしまうだろう。
「誰か居ないのか!優れた回復魔法を使えるモンスターは!」
森の奥の方から声が聞こえる。
「誰か呼んだかにゃ?」
木々を華麗に飛びわたり、こちらに向かってくる。
「お前は誰だ?」
「私のにゃまえはエクル!山の精霊にゃ!」
精霊?そんなモンスターいたっけ?
僕が知る限り、そんなモンスターは存在しない…
「お前、回復魔法が使えるのか?」
「まぁ、少しだけ、だけどにゃ?メインはこっちにゃ!」
鋭い爪をこちらに見せつける。
「じゃあ、そこのドラゴンに、回復魔法をかけてくれないか?」
「何で私がきしゃまの言うことを聞かなにゃいけないのにゃ?」
ドラゴンを助けるためだ。
「お前、ここが精霊の山ってことを冒険者ギルドに伝えるぞ?」
「にゃにゃ!?おみゃえ趣味が悪いにゃ!」
趣味が悪いでもクズでも何でも言ってくれ。
今は自分がどれだけ苔になっても、ドラゴンを助けるのが優先だ。
「わかったにゃ…しょうがにゃいにゃ!回復させてやる!回復させてやるにゃ!」
良かったー。これでドラゴンを助けられる。
「ねぇ、コースケ?あの女、嘘をついてるとは思わないけど信じていいの?」
「あぁ、多分な…」
精霊は魔法の準備を始める。
精霊の周りに、大きな二重の魔方陣が展開される。
すごい。二重の魔方陣は最低でも第70領域魔法にしか、存在しない。
「神の理。力を貸して!」
「天使の口づけ!」
二重魔方陣を纏ったまま、ドラゴンに近づく。
すると、ドラゴンの口元にゆっくりと口づけをする。
数十秒がたち、口づけがおわる。
「この魔法は…?」
「っぱぁ…ずるる」
精霊はヨダレをすする。
「あぁ、この魔法にゃ?実はこれ、魔法じゃにゃいにゃ!」
魔法じゃない?
「私にゃ、さっきは精霊とか言ったが、実はサキュパスにゃ!
サキュバスが持って生まれるスキル、悪魔の口づけにゃ!」
悪魔の口づけ、ユニークスキル。
どんな怪我をおったモンスター、または冒険者でも数十秒間口づけをすれば、完全に直ってしまう、チート系スキルだ。
だが、サキュバスの特性として、口づけをした際に相手の精液を少し奪ってしまうと言う、面倒な特性があるが、それを踏まえてもチートに近いスキルだ。
「ドラゴン!目が覚めたか!」
フュギューーンと元気な叫びで、飛び上がる。
「精霊!ありがとな!恩に着るよ!」
「まて!まってにゃ!おみゃえがまだ、冒険者ギルドに私の事を言わないか、不安だにゃ!だから私も着いていくにゃ!」
は?
「いやいやいや、おかしいだろ!」
これ以上ドラゴンには乗れないぞ?
「私は別に良いよ!ねぇーコースケ!」
こいつ、絶対女性が増えるからって仲間にいれようとしている。
まぁ、いいか!何とかなればドラゴンにも乗れるだろう!
「分かった…わかったよ!エクルだっけ?俺たちの仲間になってください!」
「しょうぎゃにゃいにゃー!仲間ににゃってやるにゃ!」
こいつ、マジで仲間にしたくないな。
僕達は元気になったドラゴンの上に乗り込む。
「で、何で僕の上にお前が乗ってるんだよーーーー!」
「何でって乗るとこがここしかにゃいからにゃ?」
確かに後ろを見るとアウラの上にはラグナロク。
僕の上しか空いていない。
だが、
「お前に触れられると、精液がどんどん抜かれていくんだよ!」
「にゃにゃ!おみゃえの精液なんかへんにゃ!こうなんて言うかドロドロしてるにゃ!」
「うるさい!やっぱり連れてくるんじゃなかった!」
こうしてエクルを仲間にし、始まりの村へと向かうのだった。
後書き編集
二度目の異世界転生したらステータスMAXのスライムになりました! ともや先生 @to3mo1ya8
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