第19話 「襲撃者」
前回のあらすじ
各ダンジョンのBOSS達が全員、第10のダンジョン「大回廊」に集まった。皆フォネックスに視線を向けるなか、フォネックスが立ち上がる。「皆、村に攻めに行くぞ!」フォネックスから語られた言葉は冒険者達の村を襲撃しろ!のことだった。
僕が命令されたのは始まりの村襲撃。
その準備をするために、キマイラの縄張り、始まりの草原に向かうのだった。
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第10のダンジョン「大回廊」を出発してから早二時間がたとうとしている。
僕達は長旅に完全に疲れ、全員寝てしまっている。
フュギューーン!フュギューーン!
何だ!?
僕達はドラゴンの大きな叫び声よって起こされた。
「どうした!ドラゴン!」
フュギュ、フュギューーン!
ジャングルを抜け、草原が広がっているのだが、
何者かに、襲撃を受けている!?
ドラゴンの頭には二本の弓矢が刺さっている。
「コースケ?どうしたの?」
「あぁ、何者かに攻撃を受けている。」
「ドラゴンは大丈夫なの?」
いや、大丈夫では無いだろう…
「ヒール!」
一時的に、ヒールで致命傷は保たれたが、安全な場所で休む必要があるな。
「ドラゴン!下降できるか?」
フュギューーン!
どんどん下降していく。
「アウラ!お前はラグナロクとドラゴンを守れ!」
「分かったわ!コースケはどうするの?」
「襲撃者を見つけ出して殺す!」
僕はドラゴンから飛び降りる。
周りを見渡すが、見える範囲には襲撃者の姿は見つからない。
魔法を使うしかないか、
「サーチ!」
第70領域魔法「サーチ」
半径500m以内のモンスター、冒険者が何処にいるか、何レベルかなど、詳しい情報が分かる。
「南西の方向、木の裏に一人、岩影に隠れているのが、5人、
僕達の後ろにハイドして隠れているのが一人って所か。」
「バレてる!」
後ろから声が聞こえる。
「木の裏に弓を持って、こちらを睨んでる人と、岩の後ろにいつ出ようかと思ってる冒険者さん達!死にたくなかったら、前に出てきてくれるかな?それと、後ろで僕を斬ろうとしている可愛い冒険者さん?」
「僕は切れないから止めといた方がいいよ?剣が壊れて戦えなくなるだけだよ?」
今、僕には自強化魔法が大量についている。ドラゴンから飛び降りる前にアウラがつけてくれた物だ。
「スライムごとき、切手見せる!」
これだから、弱い冒険者は好きじゃないのだ。
ちゃんと忠告してるのに、相手の強さを見定め無いで斬ろうとする。
僕の頭に直撃した瞬間、冒険者の武器がボキボキに壊れる。
「僕はちゃんと、忠告してたからね?切れないから止めた方が良いよ?って」
「あ、あ…あぁああ!」
粉々になった武器を見て、冒険者は泣き出す。
自業自得だ。僕は忠告したんだから…
「お前よくも、カインの武器を壊してくれたな!」
岩の裏に隠れていた冒険者達がこちらに剣をもって、走ってくる。
何で、僕たちに攻撃してきたか、気になるから殺さないでおくか…。
「チェーンアタックレベル1!」
レベル2だと、確実に死んでしまうので拘束だけのチェーンアタックを唱える。
「くそっ!この鎖をとけ!」
「僕の質問に答えてくれたらな」
「何故僕たちを襲った?」
この男が語る言葉は聞くにたえる言葉だった。
「お前が連れていた女がいい女だったから、俺たちで遊んでやろうかと思ったからだ」
クズだ。こいつ。そのためにドラゴンに深い傷をおわせ、こうやって、僕を襲ってきた。
「次に聞く。お前達が持っているその武器は何だ?」
冒険者達が持っている武器は僕でも見たことが無い武器だった。
「あぁこれか?最近村にやって来た、商売人が安く売っていた武器だ。何でもプレイヤーを殺せば、殺すほど、強くなるって言う代物だ。流石に俺らでも人は殺さねぇからこれ以上強くなることは無いけどな。」
「一本貰っていくぞ」
「どうぞ、ご自由に!それより答えたんだから早く鎖をほどいてくれよ!」
僕はドラゴンの方へ向かいながら、
「あぁ、そうだったな」
「ファイヤーボール!」
冒険者達は灰となった。
「ドラゴン!怪我は大丈夫か?」
見るからに皮膚は抉れて、とても大丈夫そうでは無いな。
「アウラ!ドラゴンを安全な場所に移動するの手伝ってくれ!」
「分かった!」
僕達は開けた平地から、森の中へドラゴンを連れていく。
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