第2話 「ステータスカンスト」

前回のあらすじ




ゲーム「Kill monster」をやりつくしてしまった主人公コースケはゲームをリセットしてもう一度ログインした。


すると、アバターがスライムになっていた。




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日が真上に来る頃、僕はゴブリンの集落にいた。 




集落と言ってもそこまで大きくはなく、ゴブリンの男女仲良く暮らしている。




今は僕が最初にあったゴブリンの家に居させてもらっている。




非常にゴブリン達は優しく接してくれているが、


自分の体を見るとスライムと言う劣等感致し方ない。




しかも、お風呂に入ると、体の周りのヌメヌメが落ちて逆に気持ち悪い…。


このゲームでのスライムの立ちいちだが、ゴブリンより、下なのだ。




スライムがダンジョンに配置されるとなったら、そこは始まりのダンジョンぐらいだろう。




「スライムさん!」


後ろを振り向くと、そこにはゴブリンの女の子が立っていた。




やはり、ゴブリン以外のモンスターと話すのは緊張するのか、体をモジモジさせている。


「お父さんが!お父さんが今レベル何か?ですって!」




何故二回言った!と突っ込みたくなるが、辞めておこう。




変に目立っても良いことは無いしな。




僕は言われた通り、プロフィール画面を開く。




モンスターもプロフィールを開けるんだなー。とか思っていたのだが、




「ん?」




少女に見られないために一歩後ろに下がる。




体力、攻撃力、防御力、SP、会心、幸運、全てカンストしてるんですけど…




しかもレベルMaxの100何ですけど……




「どうゆうこと?」


女の子に聞こえない範囲の声で叫ぶ。




「レベル何でした?」




「えっ!あー。3だったよ!」




ここで100とか言って特別扱いされてもなんか気持ち悪いだけだから、ここは一つ嘘をついた。




何でカンストしてるんだ?




もう一度集落の端にいき、ステータスを見る。




流石に盗賊スキルとかは無いか…




だがスキルの欄に全能全知という。スキルがあったが、これはまだいいだろう。




そして僕は居させてくれた、ゴブリンにお礼と少々のお金を渡す。




ゴブリンは要らないと言っていたが、ここまで、優しくしてくれたのだからそれくらいの事はさせてくれ。




集落を出たらまず、




「まず何すれば、良いんだ?」 




Mobと言えばダンジョンにて冒険者を待つか、強いモンスターなら自分の縄張りを作ったり、街に単独で攻めに行くとかなんだろうけど、肝心のダンジョンも村も何にもない。




考えていると、奥の方から二人組のモンスターに絡まれる。


「おい!ちょっとそこのスライム!」


「ちょっと金貸してくれや」




これがいわゆるヤクザに絡まれるってやつか。




流石に現実世界でもヤクザには絡まれた事はない。




「いやー、自分お金持ってないんですよ」




ヤクザは地面に唾を吐き、こちらに癌をとばしてくる。


「嘘つけ!ほんとは持ってるんだろ?さっさと出せや!殺すぞ」




こえぇ。まじで怖い。




まず、ほんとにお金持ってないんだけど…




「貴方達、そこでないやってるの!?最弱のスライムからお金をむしり取ろうなんて」




誰か僕を助けに来たようだがそんなこと関係なく、




そろそろ苛ついて来たので、少し強めにヤクザを殴る。




「貴方スライムだよね?」




ん?何か僕変なことしたかな?




てか、今、殴ったヤクザどこいった?




猛烈な音と共に、ものすごい勢いで空から何かが落ちてくる。




ぐちゃ。




「あ、さっきのヤクザ」




強く殴りすぎた。殺してしまった。




「貴方何者?そんなわざわざスライムの姿に変装なんかして?」




え?いや、どゆこと?




「いや、変装なんか得にしてないんですけど……」




「だって、あり得ないじゃない…モンスターの中で一番弱いスライムが上位のウルフを倒すなんて、しかもワンパンで」




僕はそおっと、彼女にプロフィール画面を見せる。




「嘘!ステータスカンスト!?あり得ない!とっくにラスボスの領域を越えてるわ!」 




話を聞くと現在ラスボスが一人の冒険者に倒され不在と言う。




ラスボスを倒したの僕なんですが……。




「私の名前はアウラ!モンスター名はウィッチ、魔女です!」


よろしく。と手を伸ばしてくる。




「僕の名前はコースケ!スライムです!」




「では早速!ダンジョンに張り込みにいきましょ!」




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