第100話 ディエゴの話6

マッハパンチが終了して、ネハンが始まって

から1時間ほどで、3バンドが撤収する

という手筈だ。

 

アラハントのメンバーが、音楽の方向性に

ついて口論を始めている。若さゆえの

熱さだ。

 

そして、ステージを終えたマッハパンチが

帰ってきて、その口論に加わっていく。

客席側にいたサキも戻ってくる。

 

時間が来た。裏の通用口に皆で向かう。

会場の歓声が聞こえてくる。まだ口論が

続いていた。

 

通用門に来ると、彼らが乗るはずであろう

大型ホバーが停車している。そして、別の

大型ホバーがスルスルと来て、扉が開き、

大人数が降りてくる。

 

「さあ出待ちが来たよ」

 

門出口を取り囲むかたちで、偽装アンドロイドが

情報の通りであれば100人前後。全員、コンビニ

の店員の制服を着ている。

 

状況を数秒で一通り確認できたのち、彼らは

再び口論を再開する。そして、ついに殴り合いの

喧嘩に発展する。

 

予想していない状況に、アンドロイドたちが少し

困惑した感じだったが、当初の予定を思い出し、

端から襲い掛かる。

 

いや、速い動きで襲いかかったのはアミの

ほうだ。襲い掛かるというか、酔って

アンドロイドの群れに飛び込んだかたちだ。

 

他のメンバーも、もみ合いながらアンドロイドの

むれに混ざっていく。そして、アミは酔って

訳がわからなくなった体で、アンドロイドたちに

頭突きや肩、背を使った打撃を与えていく。

 

そのたびに、手に持った酒瓶からひと口飲む。

 

アラハントの残りの4人とマッハパンチのメンバー

は、巧妙に乱闘を演じている。マルーシャの

ハイキックがエマドに決まる。演技に見えない。

 

ボッビボッビの3人は、うまくそのもみ合いと

距離を取っており、さらにその後ろにいるのは

テルオだ。そして、お互い喧嘩している風に見せながら、

マルーシャがアンドロイドにハイキックを決める。

 

サキは物陰から見ているが、軍事特殊型などは

いないようだ。5分とかからずに、アンドロイド

たちだけが動かなくなった。

 

そして、少し離れた場所にネハンのTシャツを

着た怪しげな男性二人。ユタカ・サトーと

ドン・ゴードンだ。今回は、彼らのバックアップ

も必要なさそうだ。

 

そして、ネハンもライブを終えて深夜、ネハンが

泊まるホテルで、会って話し合うことになった。

 

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