第56話 ヘンリクの話17

ふと見ると、マッハパンチのプリンスさんが

なにか落ち込んだ様子だ。


「プリンスさん、何かあったんですかね」

「あ、ああ、家で飼ってるハムスターが

昨日死んだんだよ」

キングが答える。


「へー意外ですね」

「え?あいつが泣き上戸なところがか?」

「いや、それも知らなかったですけど、

でも確かにいつも最後泣いてますね」


「マッハパンチみんな何か飼ってるでしょ?」

アミが尋ねる。


「ああ、おれたちみんな何か小動物飼ってる」

キングはチンチラ、プリンスはハムスターを

まだあと5匹、クインはフェレット、ナイトは

ロップイヤーラビットだ。


「というより、この3バンド、おれたち以外も

みんななんか飼ってるだろ?」

逆にキングが聞いてくる。


「あーたしかにそうかも」とタリア。

「ボッビボッビは全員犬飼ってるね」


「アラハントはー」アミが思い出そうとしている。

「うちは雑種の猫でしょ、ウインは雑種の犬、

エマドんちはリクガメ」


「マルーシャは?」

「マルーシャの家はでかい水槽に熱帯魚」

あー、と言って全員うなずく。


「でも一番好きなのは透明なエビらしいけど」

「あれ?フェイクは?」


「フェイクはねえ、ペットはいない。野菜

育てるのが好きでしょ。」

そうだ。聞いたことがある。確か、一番好き

なのはカリフラワーだ。


「ヘンリクも何か飼えばいいのに」

アミが提案するが、

「うちは近所に野良猫多いからなー、

エサもしょっちゅうやってるし」


こんな感じで、ライブあとの打ち上げは

あまりライブの内容やら音楽の話はあまり

しない。


音楽の話はしないが、1時間ほど経った

あたりから内容に熱が入ってくる。

タリアがキングに話しているのは、

なにやら難しい経済の話だ。


「コウエンジ連邦は今のところとても

うまくやっているわ」

「でもそれを理解するには最新の経済学を

学ぶだけでは難しいの、ほらこれを見て」


テーブル横のモニターにネットワークサイトの

何やら表が表示される。歴史経済学に

関するものらしいが。


「宇宙世紀の年代の横に国か地域の名前、そして

地球の人口、その横は宇宙の人口」

「まず旧西暦の話からになるけれど、まず

ヨーロッパ型の資本主義経済で経済覇権国と

なったのはオランダと呼ばれる国」


「その次にユナイテッドキングダム、そして

北米のユナイテッドステイツ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る