第27話 アミの話3

翌日からすぐに軍施設でトレーニングとなった。

すでに今月のアルバイトが入っていたりしたが、

軍から職場へは連絡がいって補填されている。


トレーニングはまず適正検査からだが、

遠隔機の操作はもちろん問題なかった。

エンターテイメントセンターに設置されている

操縦席より高性能なため、むしろゲーム時より

扱いやすくなっている。


そのため、トレーニングのほとんどは搭乗機の

練習となった。これはかなり過酷である。

旋回時の加速を受けながら戦わないといけない。


男子二人は苦戦、女子3人は適正があった。

とくにアミは遠隔機以上のパフォーマンスを

示した。


「軍属でパイロットに採用されるひとには

そういうタイプが多いよ」

トムが言った。


「なんというか、加速のデメリットよりも、

その場の実感というか、そういう中のほうが

力が出る?搭乗機はラグも理論上無いしね」


「アミは星座の配置憶えていて旋回中も自分の

位置わかっちゃうからなあ。ちょっとずるい」

星座の配置、自分と相手の位置関係から的確に

旋回コースを判断することができるらしい。


というわけで男子二人には軍のトレーニングと

ハントジムのトレーニングともに特別メニューが

組まれた。


「まずは遠隔機主体で実戦に出てみよう」

トムが母艦に搭乗してコーチ役をすることになった。

出てみよう、といってもまずは迎撃のかたちと

なるため、軍施設でトレーニングしながら

出撃のタイミングを待つことになる。


迎撃作戦の打ち合わせだ。トムの説明が始まった。


「まず概略からですが、我々コウエンジ連邦軍

による、宙賊または第3国からの人型兵器および

母艦による侵攻に対する迎撃、となります。」


「人型兵器4から6機の母艦の小隊構成に

よる侵攻は近年増えてきています。従来の宇宙

空母とAI戦闘艇による戦闘と異なっており、

軍としては今後人型兵器を全面的に配備する

かどうか、様子を見たいところです」


「そのため、一部パートタイムでの対応を

認めることにしました。軍属の別の小隊の

メンバーもあとで紹介します」


「宙賊と第三国はおそらく連携しています。

背後関係は政府の諜報機関で調査中です。

これはあくまで私の推測ですが、大国の兵器

の試験を他国にやらせているのではないか」

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