第3話 魔女との戦い
城の中を花が散っていく。か細い太陽の腕の中。城の庭で。幾つもの白い月。紅い海のさざなみ。冷たい空から風が吹き抜ける。
ねえ。私のこと愛してる?君を愛しているよ。この世界で一番に。だからここに呼んだ。本当に愛している?私は周りにゴミとか言われる。化け物扱いされる。兄様だって本当はどうなのか。煙たがってる。お願いよ。私のこと一番に愛して。ここに閉じ込めて。ずっと二人きりだ可愛い子。私を見捨てないでお願いよ。見捨てない。私の母さんや父さんの代わりになってお願いよ。捨てられたの。花が散っていく。
--愛している。
黒い羽が散っていく。無明の闇と共に、金色の光が現れる。それと共に月と太陽の絵があしらわれた巫女の服を纏った、高貴な女が現れる。
「ハイランドの血を引く女か。お前は殺すぞ。」高貴な女は呪文詠唱なしで、天からいくつもの雷の槍を呼ぶ。女は金色の羽を広げ、それは天につながれている。イグニスはネルーと同じ浮遊呪文を唱え、素早くかわす。
「イリアさん!」
ネルーはいくつもの雷の矢(サンダーボルト)でさらに援護する。辺りが神の
「雨が降ってきたぞ。」イグニスがそういうと、雷に誘われたのか、天は曇り、雨が降って来る。イグニスが何事か呪文を唱えると、イグニスの辺りの雨は空中で停止し、彼女は階段のように雨を渡り、ネルーとの距離を詰め、上空から剣で乱戦する。ネルーの悲鳴があがる。
「それで?」
高貴な女は、何も表情を浮かべず、雷を見に纏い、ひたひたとイグニスとの距離を詰める。
「私が何者なのか知っているのか。教えろ。」
私の剣は地面に転がっている。そのため女が自身に見に纏う、雷で剣を呼び出し手に持ち、イグニスに剣戟をふるう。イグニスはふわりとかわす。
「円陣を組め!」協会の魔導師が集まり、大魔法の詠唱を始める。
「お前は私と同じなんだよ。呪われし我が一族の祖先。神をかどわかした『魔女』め。その小娘の身体から出て行け。お前が神に愛されてないことを知るべきだ。」
「私はこの身体が欲しい。あの『男』や世界に愛されたいから。それともう時間だよ。」
『滅びの風よ、吹け--!終末の炎よ|(メギドフレア)!』
戦闘が繰り広げられていた街の広場に魔導師達の大魔法が広がっていく。やったか!魔導師達の歓声が上がる。
高貴な女は笑っている。雷で身を守っている。イグニスはマントが焦げているが、一滴の血を流し無傷だった。
「これだけの大魔法を浴びてもこの程度だと!?」「ホーリーオーダー。『天使』の『剣』か。神を裏切りし一族の末裔め!」
「神を裏切り、我が国を追われ、北のハイランドへと逃げた一族。迫害され国欲しさゆえに、暗殺者に身を落とした呪われし魔女、イグニス・ハイランド!」「なお、神を裏切り続けるか!呪われるがいい!」
「●●さん--。」
血を流し、呻きながらネルーが立つ。
「●●さん--。下がってください。イグニスの狙いはその『ペンダント』です。『あなた』なのです。』
「それがどうした。」なおも戦いは続く。高貴な女は、大魔法の残り香から幾つもの剣を呼び出し、それは孤を描きながらイグニスを狙う。イグニスから血が流れる。
「さすがにまずいか。眠ってもらおう。」
イグニスは懐から小さな手榴弾を取り出し、煙幕を張る。ガスが流れ、私は倒れる。
「この『ペンダント』はもらっていくぞ。私達の『祖国』を復興させるためにな。待っているぞ。イリア・コールフィールド。それとお前は人間だ。」
「イリアさん--。」ネルーが私に駆け寄り、私は身体静かに振り、目覚める。彼女はあなたのペンダントを持ってどこかへ行ってしまいました。どこへ?彼女は今はなくなった祖国を目指しているのです。
あははははははは。女の高笑いが聞こえる。
逃げても無駄だぞ。あの『男』は永遠に私のもの。お前には渡さない。お前などには。私はすぐに帰ってくる。時のない地獄の中から女の呼び声が聞こえる。神を裏切り、時の狭間で永遠を歌っている。愛しているの。女は男に手を差し伸べるが、男はそれを払いのけ、私の方をじっと見ている。●●(アナスタシア)向こうへ。イリア。誰。君はもう人間ではないのだから、早くぼくの元へ来るといい。……ア。
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