第9話 ルークの過去 ー2
(やばいな……。このアイテムのせいでワイバーンの変異種以外にもぞろぞろ魔物がやってくる……)
ルークは苦虫を噛み潰したような表情で舌打ちをする。このまま街に戻ってもワイバーンの変異種をはじめとした魔物が街に
(くっ……。しょうがない……。これは正直使いたくはなかったけど……。自分の命には代えられない……!)
「"
ルークは最後の切り札とも言える"
「くふふふふ……。あははははは!!」
理性のタガが外れ、"
"
「"形状変化
ルークがそう言うと、"立方体の形をしたもの"が徐々に形を剣に変えていく。形状変化したそれは禍々しいまでのオーラを放っていた。そして、ルークが
ルークを中心として空間が歪み、ワイバーンの変異種の周囲にいた魔物がまるで押し潰されたかのように体がぐしゃりと折れ、断末魔の悲鳴をあげながら次々と絶命していった。ワイバーンの変異種もルークの斬撃に巻き込まれたが
「ちっ……! 障壁を展開してやがったか。運の良いやつめ。だが……」
そう。今のルークにとってはそんなことは些細なことでしかないのだ。邪魔するものは全て殺す、それだけだ。
「"
ルークは再びワイバーンの変異種に向かって狂ったような笑みを浮かべながら一直線に走っていき、斬撃を繰り出す。ワイバーンの変異種はその斬撃を防ごうと障壁を展開する。だが、次の瞬間。
「……!? ルオオオオオオオォォォォォォン!?」
ワイバーンの変異種の展開した障壁がグニャリとへしまがり、その障壁を展開していたワイバーンの変異種の
やがて、空間の歪みも収まってくる。ワイバーンの変異種の身体はあちこち剥がれ落ちており、所々血も吹き出している。
「あははははは!! 無様だなあ!! そのまま朽ち果てちまいなあ!!」
ルークは止めの一撃と言わんばかりに"
(ちっ。避けられねえな……)
このままブレスを食らえば重傷は免れないだろう。しかしルークはニヤリと人の悪いような笑みを浮かべる。まるで余裕だとでも言わんばかりに。
「"形状変化
ルークがそう唱えると同時に"
「"
"
ズバン!!
「ルオオオオォォォォン!?」
ワイバーンの変異種の腹が切り裂かれ、そこから大量の血が吹き出る。
「グルウゥゥゥ……!?」
苦しそうに呻き声を上げるワイバーンの変異種。やがて、呻き声も小さくなったかと思うと、ワイバーンの変異種の巨体がゆっくりと傾く。
ズウウゥゥゥン…………
重い音をたて、地面に倒れる。
「やっと死んだか……。なかなかにしぶといやつだったな……。……ちっ。まだ周囲に残っていやがったか」
ルークは面倒くさそうに舌打ちをしながら、周囲にいる何百匹の魔物に向かって
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