第18話 魔法対戦に強制参加させられる事になりました。
学園祭当日俺は午前中自分のクラスのコスプレ喫茶の受け付けを何故かコスプレしながら行うという意味不明な行動に出ていた。
まさか当日欠席者が俺のクラスから出るとは。
更に代理に俺がコスプレして接客する事になった。
最初は受け付けだけの筈が今はハロウィンっぽいコスプレ衣装を着ながら、笑顔で女子の接客をしている。
うーわ、最悪だ。
「果実ジュース二つお願いします」
「わかったわ。悪いわね接客任せて」
「ああまあ新鮮だし、いい経験になるよ」
何の経験になるのか自分でもさっぱり分からないが、取り敢えずアウラに笑顔で返す。
それにしても客多過ぎ。四人での接客だけじゃ間に合わねえよ。
「本当に男性なんですね。新鮮です」
「はい。空気が読めなくてすみません」
やっぱり男性は非常に珍しいようだ。
じゃあどうやって子供は産まれたのだろうか?
まさか人工的にとか。この世界ならあり得る。
まあ前世でもips細胞とか使って同性同士で子供作れるらしいし、不思議ではないか。
俺は何とか接客を終えるとアウラに声を掛けられた。
「ねえ暇? お昼一緒しない?」
おお、最初は冷たかったアウラが、今はお昼を一緒に食べたいなんて進歩した、進歩した。
「ああいいぞ。俺午後はフリーだし」
「じゃあ決まりね」
俺は模擬店で購入した食べ物をアウラと二人屋上で食べる。
珍しくクラーラは屋上にはいなかった。
「魔法対戦参加するわよね?」
はいきました。この話題。俺学園ではあまり目立ちたくないんだよな。
「いや出ないつもり」
アウラの表情が急に冷たくなる。
何その出ろよっていう圧迫感。
「3VS3のチーム戦よ。私とハイルと後一人足りないのよ。一緒に出る以外選択肢はないわよね。ねえそうでしょ」
表情がこええよ。圧迫面接かよ。
そう、それと何故かこの1ヶ月近くでアウラとハイルは親友になっていた。
何が彼女達にあったのかは俺は知らない。
「魔法対戦参加すればいいんだろ。優勝商品って何だっけ?」
俺は渋々参加する決意を表明する。
「1000ポイント貰えるのよ。この国にはランクが存在するのよ。ポイントに応じてね」
ポイント? 何だっけ、まともに授業受けてなかったし、寮住まいの俺には縁のない話かと思っていた。
「アルカディア国に入国した時、腕につけるモニター貰ったでしょ。それで現在のポイントを確認出来るわ」
ああ、そうだった。そんな物貰った記憶があるな。
因みにこのアルカディア国には王が存在しない。
一番偉いのは学園長らしい。一体何者だよエデンは。
昔はアルカディア国には王族が住んでいたらしいが、病気で一族が途絶えたらしい。
うん。俺授業聞いてる、偉い。
「5ランクに分けられる訳。因みにエミリアは学園のナンバー5だけどこの国全体の視点で見ればランクは決して最上位ではないわ」
アウラの話の要点を纏めると以下になるらしい。
1. アルカディア国にはランク制度が存在し5ランクに分けられる。
2.Sランク~Dランクまであり、生活基準が変わる。但しDランクでも最低基準の生活は保証されているらしい。
3.Sランク以上には貴重な特権が与えられるらしい。
Sランクは1000000ポイント以上
Aランクは100000ポイント以上
Bランクは10000ポイント以上
Cランクは1000ポイント以上
Dランクは100ポイント以下
因みにエミリアはアルカディア女子学園のナンバー5でランクはCランク。
つまりこの学園はナンバー5でさえCランクなのだ。
俺は最近まで知らなかったがアルカディア国には学園が5つ存在する。
アルカディア女子学園は最下位の偏差値らしい。
前世での進学校と非進学校の違いみたいなものだろうな。
「参加決定したわけだし、学園祭最終日に行われるアルカディア国名物魔法対戦についての話し合いを行うわよ。作戦会議をしなくちゃね」
報酬の1000ポイントはでかすぎる。
これは参加するしかない。
俺は寮に帰ると机の引き出しから腕時計型のモニターを取り出し、自分のポイントを確認する。
ルクスの現在のポイント
500ポイント
意外とポイント貯まっててびっくりした~。
魔法対戦で優勝すればCランクにいける。
面白そうだしSランク目指して頑張りますか。
こうして俺は魔法対戦に強制参加させられる事になりました。
まあ最後は自分の意志なんですが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます