第10話 スノー帝国に行く事になりました。
俺は朝、学園長に話があると言われて呼ばれた。
朝から何だよ。まだ眠いんですけど。
俺が学園長室にノックして入ると、神妙な面もちでこちらを見つめている。
「早速で悪いんじゃが、昨日ファーリーが何者かに殺された。お主のスキルで過去を見て欲しい」
「は⁉ ファーリーが殺された。何を言って」
「学園の屋上で死体が発見されたのじゃ。現場に犯人の証拠は残っておらんかった」
ファーリーが殺されただと。狙いは宝石か。
「ああ分かった。やってみる」
チートスキル発動
狐の仮面の少女がファーリーを殺す映像が脳内にくっきりと映し出される。
把握完了。やっぱりチートスキルは便利だな。
「殺したのは赤髪の狐の仮面の少女だ。一度会った事がある」
「そうか。何者かは分からぬがファーリーの宝石が奪われた事から宝石絡みと見て間違いないじゃろうな」
やっぱり宝石絡みか。アウラが言うには宝石の持ち主を殺さなくては奪えないと言っていたな。
だから赤髪の狐の仮面の少女はファーリーを殺したのか。
「お主のチートスキルは完璧なのか? まだなのか?」
「完璧じゃない。現に一部始終全てを把握できたわけじゃない。何者かがジャミングしていた」
ああそうだ。女神から貰ったチートスキルもまだ完全じゃない。もっと俺自身も強くなる必要があるな。
「そうか。ではお主に宿題を二つ授けよう。一つはチートスキルを磨き、己自身が強くなることじゃ」
「もう一つは?」
嫌な予感しかしないんですが。っていうか宿題ってなんだよ。俺授業についていくための勉強で忙しいんですけど。
「情報が集まる冬国スノー帝国へと出向いて貰う。出席日数は気にしなくてもよいぞ。あと赤点もチャラにしておいてやるぞ」
赤点チャラだと。やりますやります。
「その宿題見事やり遂げましょう学園長」
「うむその心意気じゃ。ではスノー帝国で宝石についての情報を集めてくるんじゃ。今回は事も事だけに妾も一緒に出向こう。これは妾とお主の二人だけの極秘事項じゃ。学園長代理は生徒会長に任せておる」
用意周到だな。しかしロリ体系で金髪金眼の巨乳の学園長と二人旅はなかなか味わえない経験になる筈。
性格も良さそうだし楽しみではあるな。
「出国する前にファーリーの葬式を身内で執り行うつもりじゃ」
「ああ」
ファーリーとは別に親しかったわけでもなく、出会って間もないがいざ死を目の当たりにすると悲しくなる。
これから仲良くできたかもしれないのにな。
俺達はファーリーの葬儀を執り行った。そしてエミリアは涙を流していた。
「さて行くとするかのうルクス」
「ああ行こう」
俺と学園長はアルカディアを出国してスノー帝国へと向かった。
~~~~~~~
「来たわよ。情報は?」
「久しぶりの再開なのに冷たいな。まあ座りなよ」
ハイルは横目でフードを被った人物を観察する。
「宝石の二つ目のありかが判明したんだ。ここスノー帝国に存在するんだ。宝石の所持者の人物の名はナハト。かなりの美少女殺人鬼らしく隠れた人気者らしいよ。知名度は最近急上昇中」
ハイルは手を伸ばしフードを取ろうとすると、フードの人物はその手を掴み首を振る。
「困るなあ。僕の存在はまだ明かせないんだよ。じゃあ情報は伝えたからね。幸運を祈っているよハイル」
フードを被った人物はその場から姿を消した。
~~~~~~~
シャルロッテは図書室でルクスを待つも一向に来ないので、図書室を出てルクスの行方を探る。
「うんうん。この匂いからしてスノー帝国に向かう途中ですね。彼のスキルなら一瞬だろうけど寄り道でもしているんですかね。楽しみだなあ本気の彼と戦うの」
シャルロッテは鼻歌を歌いながらルクスの後を追いスノー帝国へと向かった。
~~~~~~~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます