第3話 勇者に任命されました。
学園でのテストがあり赤点だった俺は追試を受けていた。
最悪だ。休日なのに追試なんて。
俺は追試を終えて寮に帰る途中、一人の教師に呼び止められた。
「学園長がお呼びよ。学園長室に行きなさい」
うわあ、ろくな予感がしねえ。トラブルに巻き込まれるのはごめんだぞ。
俺は教師の言いつけ通り学園長室にお邪魔する。
「よくきたのう。ルクス早速で悪いんじゃが、お主を勇者と任命し、隣国の悪魔退治を行ってもらうと決定した」
「意味が理解できませんが」
「勇者は最強の存在が成るべくして成るものじゃ。お主よりこのアルカディアにおいて右に出るものはおらぬ。よって必然的にお主を勇者と任命する」
悪い予感的中だ。勇者って何だよ。悪魔退治なんか面倒くさいだけだろうが。しかし断ると後で何が起きるか分かったもんではない。
「学園長が勇者をやればいいのでは?」
「妾は強いが封印が施されており現状ではお主より弱いのじゃ。よって妾には無理じゃ」
成る程。深い理由があったわけか。仕方ない勇者になってやるとするか。
「分かりました。俺勇者になります。そして悪魔退治頑張ります」
「では頼んだぞルクスよ」
俺は勇者に任命されました。
~~~~~~
「成る程勇者に任命されたのはルクスという少年のようだな。これはあの方に報告せねば」
謎の少女は学園長室での会話を盗聴していた。
赤髪の仮面を被った少女だった。
~~~~~~
さて勇者に任命されたのはいいが、隣国について情報収集しないとな。
俺は学園の図書館で隣国について調べる。隣国には最近悪魔が住み着いてしまい、人間は悪魔に支配されているらしい。それで悪魔退治の依頼を隣国の我が国であるアルカディアに依頼したらしい。
隣国の名前はフライハイト帝国と言う。元々は自由の国らしい。前世で言うアメリカみたいなものだろうな。
俺は図書館で隣国について調べ物を終えると、早速学園の連休を使い悪魔退治に乗り出す事にした。
「いたわ。学園長から話は聞いたわよ。ルクスあなた勇者に任命されたそうじゃない。奴隷の私も付き合ってあげるわ。癪だけど」
俺に話かけて来たのは先週地下闘技場で負けたエミリアだった。口約束で奴隷にするなんて言ってしまったのを真に受けてしまったらしい。
「いや奴隷とか嘘だから。邪魔なんで弱者は帰れよ」
「な……人が折角恥を忍んで奴隷になってあげたのにその言い草は何かしら」
「お前ドMなの?」
「な……ち、違うにきまってるでしょ。いいわ奴隷の事は忘れなさい。でも面白そうだし私も同行するわ。拒否権はあなたにないわよ」
面倒くさい女を相手にしてしまった。一人で十分なのに、チートスキルで悪魔退治なんて余裕なのに。
仕方ない。ついでだ、エミリア以外も仲間を探すか。コミュニケーション力を上げるためには必須だろう。
かくして俺は勇者に任命されました。そして仲間集めをすることになりました。
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