悪魔でも思いつかない狂気的に芸術の向き合う姿勢は、本気の天才なのかもしれない。「人皮装丁本」という流れの話からわかるように人格が本能のままに行動するシリアルキラー。そんな事やってる人がこの世に存在しているのだとしたら、それを罪と定義したのはやはり人間だが、それを実行するのも人間なのだ。なにが正しくて、ナニガイケナイコトナノカ?それを証明するのは、読者である「あなた」である。見事なまでの○人シーンは必見ですよ!
たったひとつを求め続けるクリエイターの執念と情熱。こまやかに理知的に淡々と、細部まで丁寧に描かれる、なんて美しき狂気の世界。
短い中にこれだけの要素を詰め込んで、きれいにまとめてあげています。さらに、タトゥーや肌の色など細部にこだわる緻密さ。感情を抑えた淡々とした語り口が狂気によく似合っています。特殊な嗜好の人を相手にする高級洋傘店のパンフレットに入れてもよさそう。
美しくさえ見える「私」の世界。素材が素材でなければ、手段が手段でなければ、違った。というだけの話しではない、冷静に、ずっと冷静に「私」は「私」の行為を見つめている。そこで様々な分析がなされるが「私」は自分を止めない。けして「私」は止まらない。むしろその経過は自分の熱意をなぞるように、高まるのみ。素材がアレでなければ、手段がソレでなければ違った。という話しでは、おそらくない。