第10話 季節の変わり目


気づくとふっと寒くなった。

冷たいものばかり食べていたかった季節。


あたたかいものが、食べたい。


数字だけなら、これから先の方がもっと寒くなるのに

いまは、すごく寒いと感じる。




ふっと語る言葉がなくなった。

常に、なにかを考えていたふりばかりしていた。


なんでもない話を、君としたい。


今を切り取るとか、物語を語ろうとか、みんなの政治の話とか、この世界の真理だとか、物事の本質とか、僕の感情とか、それらを上手くいい回そうと比喩に固執するだとか、


それが、今、形が溶けていく。

手のひらに温もりがなく、文字に触れると冷たい。

いまは、すごく寒いと感じる。



ただ、これが詩と呼べるかな?

流木の集まるところ

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