浮気対策

「それでね?今日はマッサージを受けたんだけど」


理恵子が渡航先のハワイから電話をかけてきて一時間経った。

せっかく友達同士で海外に行っているというのだから、ちょっとは日本のことを忘れてしまえばいいのに、今日も僕に連絡をよこす。

適当に相槌をうって彼女が今日行った観光場所の話をながしているが、心ははやるきもちでいっぱいだ。


何故なら、いまから直美がここにくるからだ。


直美は仕事の仲間で、プロジェクトが一緒になってからとても仲が良くなった。そこから二人でご飯に行くようになり、今では、まあ、そういう関係になっている。


鬼の居ぬ間に洗濯とはまさにこのことで、理恵子がいない間に色々と楽しむ予定なのだ。


「ねえ?話きいてる?」


「え、うん聞いてるよ。てかそろそろ切って良い?明日仕事だから早く休みたいし。」


「あ、そか。じゃあまた明日電話するから。何買い物したかまた送るねー」


心底どうでもよかった。








直美がきて一時間経った。


良い雰囲気だしそろそろ潮時かと思い、ベッドに二人で入る。


その時だった。


突然電球がちかちかと光り出した。


何だこれ!?


おまけにテレビや犬の餌やりマシーン、エアコン、冷蔵庫まで音をたてている。


ついに世界は終わったか。


いやまてよ。


裸で居間のスマートフォンを急いで、取りに行き駆け寄る。


すぐとあるアプリを起動する。




スマートホームに接続されている機器がすべて無秩序なonoff設定を繰り返している。



まさかこれを操作しているのは…



ジジジジジジ…


犬用餌やりマシーンのカメラがこちらを向いていた。

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