第104話 レベル(最後メタ)

「な……なぜ手も足も出ない……」


 魔王がうめくようにつぶやく。

 頭を吹き飛ばすのに飽きたので、今度は手足を吹き飛ばしてみたからだ。

 いや、多分そのままの意味で言ってるんじゃないんだろうけどさ。


「お前は力を集めることだけに夢中になっていた。

 俺はこう見えても、あり得ないほど濃密に努力しながら歳を重ねていたんだよ。

 その何倍もの時間力を集めていようが、ただ甘い汁をすすりながら時間が経っただけのお前が勝てる理由が無い。」


 年寄りを敬えとか言う人に限って、ただ経年劣化しただけの老害が多いよね。

 歳を重ねた人とは品格が違うよ。うん。

 そんな個人的な意見は置いといて、とっととトドメにしよう。


 指先で右鎖骨あたりにあったコアを抜き取ると、そのまま砕いてしまう。


「コアの場所がわかってたのか……

 ならばなぜ頭を何度も……」


「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」


「いや、殴るどころか砕いてましたよね。」


 おっと、倒れていた女性が目を覚ましたようだ。

 元神様なのかも知れないが、もはや力は余り残っていない。

 でもそのスタイルは目に毒だから、異空間倉庫の服を適当に渡す。

 ワンピースだけだとあまり隠せてないから、もつけてあげよう。


「……ありがとうございます。」


 崩れ去る魔王と共に、世界中の魔力を集めていた魔法の効果も薄れていくようだ。

 ……最初からこの魔力で強くなるわけにはいかなかったんだろうか?

 魔力ではなく、神の力が欲しかったって事かな?


 世界中の魔力はこの土地から湧き出ていたのだろうか、それとも集めていたのが戻っているのか。

 足元からキラキラとした光が空へ昇っていく。

 今後魔法がこの世界の常識の1つになるのだろう。


「あんたは力を失ったと言っても、まだまだ人よりは強い。

 魔王を倒したとか言って紹介するから、の1つや2つやればイインジャナイ?」


 適当に元神様に今後の事を提案すると、それで再び信仰を集め、神に返り咲くとかなんとか。


 そして俺は終わりを感じていた。

 今から元の世界に戻るのだろう、足元に魔法陣が浮かび上がっている。

 やっぱり帰る時間がおかしいので、修正を加えたけどね。


 これ以上はもう異世界転移しない気がする。

 GF編だからね。

 GFァンタジーでもあるし、GリラFァンタジーでもあるけど。

 Grand Finale って事だろ?

 もうネタが無いもんね。

 こんな終わりも良いんじゃないかな?


 引に由も無いスト

 これが本当のゴリラオチってね!

 それでは皆さんご機嫌よう!



 ブォン

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