第102話 すぐ出るぞ

「作戦とかもう良いから、早く倒しに行こうぜ。」


 俺がそう言うと、周りの皆がざわついた。


「いや、それはマズいんだ。

 封印を解いて倒しきれなかったら……」


 そんなな予想ばかりしても何も変わらないだろうに。

 まあよく言えば安全策なのか?

 魔王の強さが分からないならしょうがないのか?

 しかし今なら俺がいるじゃないか!


「ユーがどれだけなヒューマンだとしても、魔王をノックアウトするのはインポッシブルだろう。

 予測できない強さのエネミーをわざわざリリースする必要はないだろ。」



 いや、今まで何度も魔王倒してますし。

 むしろ今までの世界で最強の魔王でも、今なら攻撃見てからワンパン余裕でした。

 下手すればデコピンで瞬殺余裕です。


 と言うかこの人なんでルー語喋ってんの?

 ここの世界にもルー○柴さんいるの?


「ルー語ウザいよな、ルー豆柴とか昭立だろ。」

「あの人のデビューは昭立最後の日の前日で、ほぼほぼ対成らしいぞ?」

「マジかよ、でもさすがに令立には出て来ないよな?」

「ばっか、あの人今じゃ華道の師範だぞ?」

「えっ!マジで!?」


 えっ!マジで!?

 ……いや、そんな俺の知ってる日本とちょっと違う世界のどうでもいい話は置いといてください。


「日本語でおk。

 俺、今まで沢山魔王倒した。

 今回も余裕。油断はしてない。おーけー?」


 俺が分かりやすいように説明すると、ルー語の人は血管をぴくぴくさせながら真っ赤な顔で掴みかかってきた。


「ミーの喋り方をバカにしてるのか?

 今までどんなワールドにいたのか知らないが、このミーがルーズせざるをえなボブラッ──」


 あ、もうめんどくさくて殴っちゃったウホ。


「こんなザコを基準にしたら魔王がかわいそうだろ。

 ほら、俺なら倒せるから、行こうよ、ね?って言うか俺1人でいいから行くよ?」


 作戦とか力とかルーとかどうでもいいよ!

 ルーにこだわるのはカレーとシチューだけで十分だよ!!

 最近しがらみばっかりで自由に暴れてないよ!

 もう俺はゴリラでいいんだーーー!!


 掴んでいたルー語の人を放り投げると、会議室の外へと向かう。


「ちょっと待て!勝てなかったらどう責任を取るつもりだ!」


「うるせえ!エビフライぶつけんぞ!」


「エビフライ?」

「なんでエビフライ?」


 ざわつく兵士たち。

 お前らエビフライに疑問持ち過ぎだ!



 も う め ん ど く さ い



「魔王のにとらわれすぎなんだよ!

 乗り越えてこそ漢だろうが!」


 熱くなっている自覚はある。

 でももうめんどくさいんだ!


 さあ魔王を倒しに行こう!

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