第101話 オッサンばっか
出迎えの腹にワンパンで黙らせた俺は、オッサンに囲まれていた。
さっきまでは女性に囲まれていたというのに!
天国と地獄の落差が激しすぎるんですが!
みんな青ひげの盗賊みたいな連中で、こんなのがジークフリートとか名乗ってんの?って突っ込みたくなる。
男臭い、ひたすらに男臭い。
人間の女に変身した牝猫ですらここでならモテモテだろう。
そしてこの組織には権力よりも暴力が幅をきかせているようだ。
なぜなら誰も止めようとしないからね!
正直都合が良いのかもしれない。
一瞬で近くにいた5人をひとまずむしる。
もちろん今回も前髪は残す。
「やる気ならむしるぞこの野郎。」
「もうむしってんじゃねーか!!」
そうとも言う。
威圧されてたからね。しょうがないよね。
……正直全然怖くなかったけど。
ついでに今ツッコミいれたやつもむしると、誰も何も言わなくなった。
つまらないので全員むしりました。
早くも今朝までの牢屋生活がなつかしいです。
なんでこんなむさ苦しいハゲのオッサンばっかりなんだよ。
((((お前がむしったからだろ!!))))
なんか今心の声がハモった気がするけど気にしない。
うなだれて帰って行くオッサンの後に続いて基地へと入るのだった。
「良く来たな。
早速だがブリーフィングを始めよう。」
外観はコンクリート打ちっぱなしの豆腐建築だが、中は……やっぱりコンクリート打ちっぱなしでした。
学校の教室のような所に通されると、教卓のある位置に偉そうなカイゼルヒゲのオッサンが立っていた。
むしる物は無かったから勘弁してやろう。
30人ほどが入れる広さの椅子が並べられただけの部屋には、既に半数以上の椅子が埋まっていた。
「第一目標は結界内に取り残された博士達の救出だ。
可能なら協力して結界の復旧をして欲しい。」
魔物が沸いていたのは結界外周部だけで、中とは通信が通じるらしい。
中には結界を維持している博士達と技師達がいるとのこと。
まとめて吹っ飛ばしちゃダメだってさ。残念。
「現在世界中の魔力を集めて維持している結界に攻撃が加えられ、魔力不足に陥っている。」
……ゴメンナサイ。
「結界外周に沸く魔物が結界を攻撃しており、消費の方が多くなってしまっている為、自然な復旧は不可能である。
魔物は結界内から出ている瘴気が原因とされており、魔物を駆逐しているだけでも半年で復旧可能だ。
しかしそれでは中にいる博士達の食糧が持たないと推測される。
そのため、一時的に殲滅を行い救出する事を第一目標とする!」
……やっぱり結界壊して、中味も殲滅の方が速いと思うウホ。
とりあえず参加して突っ込んじゃおう。
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