第97話 リスク
とりあえず黒ずくめ達を全員掘り起こし、傷を治療して慰めた。
事情を聞かなきゃいけないんだけど、まだまだ警戒されている。
「とりあえず信じるかどうかは別として聞いてくれ。
俺はこの世界に似た別の世界の住人だ。
何度も異世界に飛ばされていて、ここにも魔王がいるから攻撃したんだ。」
地面に座り込みつつそう説明すると、半信半疑ながら黒ずくめのオッサンが説明を始めた。
「この世界には2つの伝説がある。
神が作りし世界に管理者として繁栄した人類。
そこに現れた悪神を人が封印しているって話が1つ。
神のもと繁栄した人類が、反乱を起こして神を封印したって言う話が1つ。
封印当時の記録は既に無く、あるのは封印と呪いだけ。
中にいるのが神なのか悪神なのかも誰もわからない。
それが今の現状で、我々は封印を護る側の人間だ。」
説明が長いウホ。
「お前が攻撃したせいで周囲に怪物が現れたんだぞ!」
怒鳴り声を上げるもう1人の男をなだめるマスク美女。
確かに護ってた封印を攻撃されて怪物が出たら怒るよね。
正直すまんかった。
「でも怪物出てきたら、悪神だって意見が勝つんじゃないの?」
そう思って聞いてみると、世の中そんなに単純じゃ無いらしい。
「封印していた神の怒りだ、早く封印を解かないと酷い目にあうぞって言ってるらしいぞ。」
なんじゃそりゃ。
どっちにしても祟られるんだったら、このまま封印しておいた方がいいって思う意見もあるんじゃないだろうか。
「とりあえずその怪物は俺が責任もって処理するとして、その封印はどうする?」
俺がそう言うと呆けた顔をする4人。
正直封印といてしまって魔王なら退治すればいい話だしね。
「いやいやいやいや、お前みたいな怪しい奴を封印に近づけるわけが無いだろ。」
えー、めんどくさいなあおい。
ため息をつくと、少し考えてみる。
場所はさっき投げた所だとして、とりあえずそこに行ってからその後の事は考えればいいか。
「まあ一緒じゃなくても、俺1人で行くけどね。」
俺がそう言うと今度は固まる4人。
その4人をその場に放置して、俺は封印のある場所へと飛び立った。
封印の場所は太平洋のど真ん中。
昔ムー大陸があるとか言われてたのはこの辺じゃないだろうか。
現地に近づくと空は暗い雲に覆われており、雷も相まっていかにも魔王城のようだった。
近くに降り立つと、襲い来る魔物達。
トロールやゴーレムなど、結構大物ばかりのようだ。
まあ瞬殺なんだけど。
「あ、あなたは勇者ですか!?」
魔物をぶちのめすついでに助けた人が、銃を片手に問いかけてくる。
……君はどっちの人なのかな?
銃口向いてるんですけど。
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