番外編 エイプリルフールネタ
第33-4話 4月は俺の嘘
今、ようやく終わりの時を迎えようとしていた。
何度も何度も異世界に転移させられたひとりの男が、遂に上位存在へと向かい合っているのだ。
人の身では何も認識できないこの空間に、上位存在の声だけが思念として伝わってくる。
この上位存在を神と認識する世界が多い中、彼だけはその神を倒そうとしていた。
もう異世界に飛ばされない為に。
いくつもの異世界に渡り続け、もう10万回を超えたあたりで数えるのをやめている。
それぞれの世界に1つ、もしくはヒントしか無かったが、そこには確かに神に届く物があった。
1つ1つを集めて磨き、昇華させ続けた結果。
ついに彼には神にとどく力を得たのであった。
「だから彼を使うのはそろそろやめようって言ったじゃない!」
「そんな事言ったってお前だって使ってただろ!」
「私がそろそろ休ませようと言ってから260年が経っているようだが。」
「え、いつの間に不老になってやがったんだ?」
「知らないわよ!そもそもこの力は何よ!どこで見つけて来たのよ!」
声と言うか思念がうるさい。
今まで何度も完全無視で次の世界へと飛ばしたくせに。
気付けば簡単なことだった。
修業で何度か何も無い世界に行っていたけど、あれは世界の卵を壊していたようだった。
その世界に出来た傷跡に気付いたとき、神と言われている上位存在と、それらのいる世界の事を知ったのだ。
それからは世界を飛ばされる度に叫び、念を送り、手紙を投げ、様々な方法でコンタクトを取ろうと頑張った。
しかし、それは全て無視されたのか届かなかったのか。
異世界転移が無くならなかったのが結果って事なんだけどな。
俺は進化した。
神という存在を書き換える為に。
――
不幸な異世界転移を減らすために。
「――って事もあったよ?」
「なんでや!阪神関係ないやろ!」
エイプリルフール!
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