第87話 死にそうデース

 遠慮無しの俺が殴った、そんな単純なことでついに、完全に敵が何かって気付く。

 打ち上げられる目にあった、忠誠を捧げたってやつが、大人げなくシッコしたりなんかして。


 空から降り注ぐ手下の尿。

 あ、ちゃんと手加減してるし、魔法で受け止めるので大丈夫ですよ。

 ついでに俺と幼女は魔法の傘で守られているけど、帝国貴族と他の手下は……お察し下さい。


「ぐぎぎ……ぎざまぁ!!」


 帝国貴族様はおかんむりのようです。

 くやしいのう、くやしいのう(笑)


「ところで、お嬢ちゃんはどうしてこのおじさん達に絡まれてたの?」


 てーこくきぞく(笑)は無視して幼女に事情確認してみる。

 しゃがんで幼女に目線を合わせ、てーこくきぞく(笑)には完全に背を向ける姿勢だけど問題ない。

 後から攻撃されているけど、魔法の壁で完全防御中である。


「感謝します旅の方よ。

 わらわは帝国第三皇女のクレア・マスト・サンジョルヌと申します。」


 またクレアたんだったーーー!

 って言うか皇女様だったーーー!

 エロハプの事笑えないくらい貴族だの何だのに巻き込まれやすいんだけど、俺何かしたっけ?


 ※運は4しかありません(レベルにあまり影響されず、平均が100くらいです。)


 いらねーよその補足説明!

 この世界に来たときに見たステータスなんてちょっと忘れかけてたわ!


「そこの男を従えて旅をしていたのですが、帝国の影響の無い土地に着いた途端我が身を狙ってきたのです。

 手込めにして皇族との縁を持ちたいのでしょう。

 夜中に抜け出したので、このような格好ですが、信じていただけませんか?」


 このワンピース、パジャマだったのか……

 確かによく見ると良い生地だし、寝心地も良さそう。



 って問題はそこじゃねーよ!

 え?手込め?

 どう見ても幼女なのに?

 は?長命種だったりするの?


「失礼ですが、お歳をうかがっても?」


 混乱しながらも、一応聞いてみる。


「…8歳です。

 レディに年齢をたずねるのは――」


 小さいながらもレディとして抗議の声を上げるクレア。

 しかし、その抗議は途中で止まってしまう。


「はっさいをてごめに?

 けんりょくがほしくて?

 何を言ってるか意味がわからないウホ。」


 抑え損なった殺気に怯えているのか、顔を真っ青にして震えているてーこくきぞく(笑)。


 イエス!ロリータ!

 ノー!タッチ!


 一撃一殺といきたいところだけど、子供の教育に悪いからボッシュートウホ!

 今回は首だけ出したりとか生ぬるいことはしないウホ。

 まとめて1つの穴、這い上がれないくらい深い場所に落とすと、上から覗き込む。


「貴様!こんな事をしてタダで済むとおぼぼぼぼ」


 上から魔法で調整したコンクリートを流し込む。

 魔法で養生させながらなので、足元は既に固まっているようだ。


「皇女様、この後いかがいたしましょうか?

 このまま埋めるか、引きずって帰るか、お好きな方をお選び下さい。」



 ……こっちも別の意味で固まってた。

 や、やり過ぎたかな?

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