第80話 こまっちゃっタ

 事実がバレそうで、どうしよう。まだまだはやいかしら。

 絶賛混乱中のゴリラですウホ。


「その反応どう見ても怪しいんだけど、どれが本当なんだい?」


 ヅカさん追及半端ねぇって!

 流行語とか使うと風化が早いんだっちゅーの!


「目が泳いでますわ……」


 そだねー。

 もう忖度して聞かなかった事にしてくれないかな?

 流石に大剣ラージソードで領主の館吹き飛ばしたとか神ってるで済まないよね?


「実は……全部本当の事なんだ。」


 ちょっとだけ真面目な顔で暴露してみると、ひんしゅく爆買いでした。

 やばいよ、この流れダメよ~ダメダメ!

 いつ誤魔化すの!今でしょ!


「あ、さすがに面白く無かったよね……

 小説の方ももうちょっと抑え気味にしておこうかな。」


「その方がいいと思うよ。

 本当にやってたら崇められるか、命を狙われるかのどちらかだと思うから。」


 命狙われるとかワイルドだろぉ?

 殺戮なでしこジャパンとか来るの?

 俺には休息も~油断もなんにもない!とかいうゲゲゲの~的な?


 正直王様から命を狙われても、王様殴って政権交代で済む話ではあるんだけどね。

 そんな流れは全然グ~!じゃないんだよね。

 本気で無事グルメ旅を続けられるように、どげんかせんといかん!

 どうせなら殴って終わりじゃなくて品格のある解決方法を!


「まさか~!そんな事出来たら、もう人間じゃないよね。

 もうちょっとリアリティのあるレベルで抑えておかないとダメだよね。」


「ちょっとだけ閃光の騎士様ならやりかねないと思ってしまいましたわ。

 小説なら多少の脚色も必要とはいえ、ほどほどにしておいた方がよい作品になると思いますわ。」


 よしよしよし、想定内だ!

 俺の行動を良く知らない、襲われ姫なら信じてくれると思ってた!チョー気持ちいい!


「本当に小説の話なのかなぁ……」


 ヅカさんが全然騙されてくれないのなんでだろ~?

 もうそろそろ色んな意味できつくなっているんですが。

 タマちゃんとかW杯とかこの世界にねえよ!


 ……うん、そっちじゃないよね。

 どうしようか、ここで逃げたら一角ホエールとやらを食べる機会が無くなるんじゃなかろうか。

 でもこのままヅカさんたちと一緒に行動するのは無理がある気がする。


 あああああああ!もおおおおおおおおおお!



 め ん ど く さ い



 周囲を索敵!大きな反応発見!!



 無 理 や り 呼 び 寄 せ る



「おっと2人とも、おしゃべりはここまでだ。

 厄介な奴が来そうだぜ?」


「そうやって誤魔化そうとしても──


 海岸線を進んでいた俺たちの前方に、海から巨大な物が飛び出して来たのだった。

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