第38話 小3この空に
いくら悪人だろうと領主を殺してしまっては長居出来ないので、次の町に…と思ったら国境についたようです。
ここは丸太を尖らせた杭を逆さにしたような壁が山のふもとまで続いている。
関所らしき砦があるが、はたして通過できるのだろうか。
貴族の頭剃ったり、異世界出身の領主を殺しちゃったりしてるわけですが。
……思いっきり犯罪者ジャマイカ!!!
無実で脱獄じゃなかったウホ。
姿を消し、砦のそばに近づいて様子をうかがう事にする。
お隣の国に行くのはもはや決定事項なんだけど、正直そっちでまで指名手配とかされたくないウホ。
情報がまだここまで届いてなくとも、後日思い出されると面倒だ。
「おい、どうせ誰も通らないんだからサボって酒飲もうぜ。」
「そんなわけにもいかないだろ?
まあこれ以上は左遷されようも無いけどな!はっはっは…はぁ。」
国境警備が左遷扱いという事は、隣の国との仲が良好なのだからだろうか。
いや、誰も通らないという事は交流が無いという事でもあるな……
この世界の常識を貴族と幼女に習ったわけだけど。
正直、商人が交易してるとかそういった情報までは流石に聞いてない。
と言うか今思えば常識を習う先生選びを明らかに間違っている気しかしない。
まあゴリラだからね。しょうがないね。
とりあえず兵士がいなくなったわけだが、そっとのぞいてみると砦の奥にも別の砦が見える。
ここを通り抜けてもダメなパターンじゃないかな、これ。
も う め ん ど く さ い ウ ホ
小学生でも出来る!国境越えのコーナー!
1.とりあえず砦から離れる。
2.周囲をサーチ魔法で確認しながら、警報とかが無いか確認する。
3.姿を消し、柵を飛び越える。
4.もう面倒なのでそのまま空へ浮かんで飛ぶ。
5.ついでに地形の確認と適当な目的地を上空から探す。
……ゴリラしか出来ませんでした!
日本にいる時は異世界の常識に染まってると危機感を覚えたけど、異世界では日本の常識で行動を制限されてる気がするウホ。
悪人をぶっ飛ばす前に常識を吹っ飛ばす必要がありそうです。
……いや、ロクな事にならない気がする。
自重大事。絶対。
とりあえず旅でもしながら生活しようと思ってたけど、別にその必要すらないんだよね。
飛べば早いし。うん。
久々だけど、とりあえず目的と目標を設定しておかないと色んな意味で迷走しそうだ。
目的は男の娘勇者が魔王退治するまでの時間つぶし。
そして大学合格のご褒美として、リゾート気分異世界旅行。
目標は幼女に優しく。これ一番大事。
旅行って言っても、観光かグルメしか思い浮かばない貧乏性だし、観光は歴史の知識が必要なんだよなあ……
とりあえずグルメ旅行という事で出発しよう。
うん、今頃になってようやく道が見えた気がする。
俺の冒険はこれからだ!
※一応まだ続きます。
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