第15話 いませんでした
やってきました【エネミージャッジ:タマモ&トウカ】でゴリゴリタイム!
さあ敵はどいつだぁ!悪い子はいねーがー!
鬼の面に包丁持ってそうな勢いで赤っぽく光る人を探す。
……あれ?みんな緑か青じゃね?
とりあえず近くの派手な狐火師っぽいおっさんを捕まえてみた。
ちなみに緑に光ってるから、敵でも味方でもない。
「ああ、あの姉妹か……かわいそうにな。
あんな子供なのに、早くに亡くなっちまった両親のあとを継いで狐火師になるって言うんだ。
大人が止めてやらねえとな……」
ん?なんかおかしいぞ?
詳しく聞いてみると、狐火師は時に事故を起こす危険な職業らしい。
火魔術が苦手な奴が、炭を鉱石と一緒に握って補助に使うらしいが、たまに爆発事故を起こすらしい。
それって鉱石に硝石混ざって火薬になっちゃってるんじゃ……
よくよく聞いてみると、両親は未熟な狐火師の無謀な採掘での落盤に巻き込まれた形らしい。
……敵がいなかったでゴザル。
さて、こうしてはいられない。
あの二人が魔術を暴発させないように練習を見張っとかないと!!!
無事戻った俺は、二人に燃焼の仕組みや炎色反応、鉱石の種類なんかを教える事にした。
おい、脳筋どこ行った。
脳筋成分も足りないし、せっかくなのでついでに鉱石を取りに行っても無事に帰って来られるように、二人を鍛える事にした。
とりあえずオーガぐらい瞬殺できないと心配だよね。うん。
「じゃあこの薬を飲もうか!」
「何がじゃあなのか知らないけど、何なのよその5色のスライムをツボに入れて強引に木の枝でかき混ぜたような液体は!
そんなの飲めるわけないでしょ!!!」
取り出したのは半永久的に体力&魔力を強化するポーション。
俺にはもう必要が無いもんね。
しかし飲むだけで強くなれる超高級品なのに二人ともおびえた目で見るだけで飲もうとしない。
「飲めば強くなれるよ!」
「飲まない!」
「飲めば狐火も上達するよ!」
「飲まないって言ってるでしょ!」
「甘くて美味しいよ?」
「飲むー!」
「トウカ!?」
トウカちゃん陥落!!
ポーションの蓋を一生懸命あけて、おいしそうに飲み始めるトウカ。
「くっ……じゃあ私も飲むわよ!!」
そう言うと俺からポーションを奪い取り一気飲みするタマモ。
「「おいしーーー!」」
素直に飲んだトウカも、疑いの目を向けていたタマモも、今では目をキラキラさせてお代わりを欲しそうにこちらを見ている。
「それは良かった。
でもとりあえずは1日1本までね。急に強くなりすぎると色々と不便だし。」
「不便って何なのよ。強くなるならいいじゃない。」
いや、ほら、気付いてないんだろうけどさ。
二人が持ってたポーション瓶、既に粉々に握りつぶされてるからね。
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