第3話 元魔王様、女勇者に真実を語る。

3ー① 我等、英雄戦隊、シコレンジャン!

ショートコント、英雄戦隊

ギムコ「ふはははー……支配してやるぞー……! この悪の帝王、ギムコが生きとしいけるもの全ての頂点に立つのだ……!」

??「待て!」

??「そんなことはさせないぞ!」


ギムコ「何い! 何者だ! 名を名乗れ!」


シコロモートA(以下、A)「シコロモートA!」

シコロモートB(以下、B)「シコロモートB!」

シコロモート丙(以下、丙)「シコロモート丙!」

長い奴(以下、長)「プラズマウルトラライトスーパーハイパートルクレフトシコロモートジャスティスダークカオスカラミティフォビドゥン!」

ゴリラ「ウッホー!」



全員『我等、英雄戦隊、シコレンジャン!』(ポーズ決め)

ゴリラ「ウホー!」



ギムコ「待て待て待て待て! 何だお前ら!」

長「何って……我等、英雄戦隊」

全員『シコレンジャン!』

ギムコ「待てっつーに! 何なんだお前ら! 全てがおかしすぎるだろ!」


A「え、何もおかしくないですよ!」

B「赤、青、クリムゾンレッド、どどめ、透明!」

丙「全ての色と個性が完全適応!」

長「我等、英雄戦隊」


ギムコ「もういい! もうそれはいいから! A、B! お前らはいいけどな! 色と名前もいい!」

A「おお……ありがとうございます」

B「お金いくらくれます?」

ギムコ「やるか! 何で俺がお前らに金払わねえといけねえんだ! そもそも問題はお前らじゃねえ! シコロモート丙!」

丙「はい、いや、へい、何でしょう?」


ギムコ「かけたつもりかうまくねえよ! 何で丙なんだ! A、Bで来たら次はCだろ!」

丙「そんなエッチなこと私できません!」


ギムコ「古いわ! 今どき誰も知らんだろそんな隠語! だからなんで丙なんだって聞いてるだろ!」

丙「質問したら何でも答えが帰ってくると思ってるなんて、子供ですなあ」

ギムコ「何で俺が叱られなきゃいけねえんだ! 当然の疑問だ! つうか答えろ!」


丙「いや、『C』と書こうと思ったんですけど、手元が狂って『丙』って書いちゃったんです」

ギムコ「どうやって!? どうやって狂った!? 『C』と『丙』って1個も繋がりねえぞ!」


丙「人の失敗を掘り下げようとするなんて……意地悪な人……! 惚れちゃいそうです……」

ギムコ「気色悪いだけだわんなもん! もういい! 次! 次行くけど……名前何だっけ?」


長「プラズマウルトラライトスーパーハイパートルクレフトシコロモートジャスティスダークカオスカラミティフォビドゥンです!」

ギムコ「長い! 長いわ! 何でんな長い名前にした!」


長「それは……カッコいいから!」

ギムコ「子供か! そんな長いと誰も覚えんし逆にカッコ悪くなってるわ!」


長「名前だけでも強くあろうとする意気込みの表れですよ! まあ、強さは他の奴らと何も変わらないんですけどね」

ギムコ「同じ!? こんだけゴテゴテ付いといて!?」


長「いずれこの名前に見合う奴になります! 100年後くらいには」

ギムコ「大体死んどるわ! しかもその色! 何でどどめ色なんだよ! さっきの丙あたりと色交換しろや!」


長「いや、これくじ引きで決まったんで……」

ギムコ「話し合いで分けろ! そもそも採用するなそんな色! そして最後のお前!」

ゴリラ「ウホっ?」



ギムコ「なんでゴリラなんだよ!!」



A「俺たちのペットなんですよ、もう10年以上飼ってます」

ギムコ「知るか! シコロモートA、シコロモートBは普通の人間できていて、何でこいつだけゴリラ! おかしいだろ! しかも色! 透明って何でじゃ!」


ゴリラ「ウホ~♪」

ギムコ「ほめてねえぞ言っとくけど!」


B「いや、こいつ全員のものだから、誰のものとかそういう感じも嫌だし、透明にしようって話し合いで……」

ギムコ「何でそっちは話し合って色を話し合わねえんだ! そもそもゴリラを英雄にするな! 役に立たんだろうが!」


丙「失礼な! こいつだって敵を倒してますよ! ちゃんとこいつなりに悪と戦ってます!」

ギムコ「……ほんとかよ?」

長「まず敵地に入り込んで首領の風呂、着替え、1人での姿を映像で撮ってきて、私物全部持ち帰りました」

ギムコ「盗撮! 窃盗! 不法侵入! どれとっても英雄のやることじゃねえからな!」


B「あとあなたのものもありますので、黙っていて欲しければお金払いな……ぐふふ」

ギムコ「脅迫に恐喝! 数え役満で牢屋にぶち込むぞお前ら!」


長「悪をもって悪を切る……! ダークヒーローってかっこよくないですか?」

ギムコ「お前らがダークヒーロー語んじゃねえ! ゴリラがいるダークヒーローとか聞いたことないわ! 第一こんなワケわからん臭溢れる英雄なんて誰がかっこよく思うか!」


A「さっきから聞いていればうだうだと!」

B「そうだそうだ! やることなすことケチつけてばっかり!」

丙「こうなったら巨大ロボットを呼んでお前を倒してやる!」

ギムコ「なに!? そんなことができたのか!?」


A「来い! シコロモートロボ!(片腕を掲げながら)」

B「出でよ魔神!(ランプを擦りながら)」

丙「あ、もしもしピザ屋さん? ロボット1つお願いします、はい、特急で(魔法で連絡を取りながら)」

長「ロボットさんへ、お元気ですか? 僕は元気です。今すぐ来てください(手紙を書きながら)」

ゴリラ「ウッホー!(地面にいるアリを拾いながら)」



ギムコ「アホかてめえらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



ギムコ「最初の2人はギリギリ良しとする! 問題は残り! ピザ屋にロボットがいるか! 手紙で呼ぶな! アリを戦わすな!」

丙「アリは自分の体重の何倍も持ち運べるくらいの力の持ち主で……」

ギムコ「知らん! 知ってても知らん!」


B「無知を誇るとはこれは珍しい」

ギムコ「揚げ足とるんじゃねえ! もういいわ! 俺帰るわ!」

長「いやいや、待ってくださいよ!」

ギムコ「知らんわ! もう付き合ってられるか!」

A「これから最高にカッコいい5体合体が始まるから見てってくださいよ!」

ギムコ「アリがいる時点で絶対無理だ!」

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