第5話 ジャングル道中

そのころ、図書館では…


「…そろそろヒグマが作るカレーも飽きたのです…」

「…そうですね……かばんたちはいつ帰ってくるのでしょうか…」

「そろそろ自分たちで料理できるようにならないとだめですかね…」

「……博士、“火”に慣れる自信はあるのですか……?」

「いや、“火”を使わないでも加熱ができる“電子レンジ”というものがあるらしいのです。」

「なるほど…その“電子レンジ”というものはどこにあるのですか?」

「それが……全く分からないのです…。」

「……やはりかばんの帰りを待ったほうが楽でしょうか…」


森の賢者たちが今後の食糧問題について議論していた。

……と、その時。


「おーい、コノハ博士!ミミちゃん助手!いるかい?」


「誰ですか?こんな早朝に…」

「ああ、ハクトウワシですか…スカイレースの定員が集まったのですか?」

「いいえ、まだ集まっていないわ。それよりもビックなニュースよ!」

「…というのは?」

「今日の朝、サバンナのパトロールをしていた時に、でっかい塊が空を飛んでいるのを見たのよ!しかもその中から、この本棚くらいのサイズの木箱が落ちてきたの!」

「…でっかい塊というのはどんな形をしていましたか?」

「ええとね…細長い胴体に、翼みたいなものがついていたわ!あ、あと結構うるさかったわね。」



「…たぶんそれはヒトが空を飛ぶために作った“飛行機”というやつです。」

「しかし…まだ全滅していなかったとは……」

「そんなことよりなぜいきなり島の上空を飛行機が飛んだんでしょうか…?」

「投下した木箱も気になるのです…博士。」

「ええ、今すぐ現場に行きましょう。案内してください、ハクトウワシ。」

「もちろんよ!」



っくしょん!

風邪でも引いたかな…?


フォッサはそんな僕とジャガーを置いてどんどんジャングルの木を飛び越えていく。

「ねえ、シグマって外から来たんでしょ?何しに来たの?」


「うーん…あんまり詳しいことは言えないんだけど、このパークの調査、そしてセルリアンの駆逐のために来てる。」


「じゃあさ、君って強いの!?」

フォッサが目を輝かせながら聞いてきた。


うーん…どうなんだろ。勝負なんてしたことないからわかんないな…

「まあ…本気を出したことないからわかんないな…」


「じゃ、勝負しよう!」


初対面の人に勝負を挑むとは…血の気が多いフレンズだな…。

動物のほうのフォッサのどう猛さを受け継いでいるのかな…?


まあ、フレンズの戦闘の仕方も見ておきたいし。


「こら、あんまり勝負を挑むんじゃ「いいよ」

「よし、じゃあ木箱を取りに行ってから勝負しよう!」


「…ほんとうに大丈夫なのか?ヒトは戦うのは苦手な動物らしいが…」

「大丈夫だよ、ジャガーさん。僕はそんなにやわじゃない。」

…たぶん。

まあ、今の姿だったら手も足も出せないだろう。


…ふぃー、ようやく本性を表せる。みんなびっくりしないといいんだけど。


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