第5話

*☆*☆*

 ザナック山脈の最高峰。ナック山から流れ出した大河が、山脈の裾野を走る 旧銀街道の宿場街カタラクトを分断して、霞(かす)むほど高い絶壁から奈落の底に落ちて行く。

 巨大な滝壷(たきつぼ)は、飛沫(ひまつ)の舞いあがる勢いで、いつも霧につつまれていた。

 荒々しく溢れ出し、大地をえぐりながら西へ南へ暴れ降る大河の景観は、壮大の一言につきる。

 西への流れは、草原地帯に建設された古いダムでせき止められ、膨大な水量を誇る人口の湖、ローザン湖となっていた。

 この巨大なダムが いつごろ築かれたのか、知る者はない。

 古代帝国オリアンや古代皇国バングルが、一部族として湖の岸に村を興した時、すでにローザン湖は古い湖として存在していた。

 湖を挟み、同時期に勢力を伸ばしたバングル族とオリアン族は、たえず争ったと口伝にある。だが、ふたつの都がどれほど栄え、高い文明を育んだか伝える文献は残っていない。

 名前と、広大な廃墟。いくつかの口伝と、民話以外には。

 西に古代帝国オリアン、東に古代皇国バングルと、華やかな文化を築いていた二大国。

 その滅亡が一瞬だったと伝える民話は、神の審判が下った証(あかし)なのだろうか。

 ローザン湖は、いまも変わらず豊かな水量を保っている。

 このダムの補修工事は、湖の恩恵を受ける周辺諸国共同の一大事業だ。

 銀街道は、このダムの北側でも二方向に分かれている。

 一方は、沿海州の国々へ向かう街道。もう一方は、オ・ロンへと続く街道だ。

 ローザン湖に架かる銀街道は、沿海州と内陸部の国々を結ぶ重要な動脈だった。

 ザーテ、タレス、コルヴィナなど、銀街道に交易をゆだねる湾岸沿いの小国群とロザール皇国は、生命線ともいえる街道の整備に力を注いでいた。

 カタラクトから南への流れは、広大な草原地帯を下るうち、幾つもの支流に分かれ、アネッタとミッテレスを結ぶ銀街道を寸断して、そのすべてが海へと達していた。

 この街道に橋が多いのもその為だし、河の利用で交易も盛んだ。

 そんな運搬船の行き交う支流のひとつを、ヤムたちはカタラクトめざして遡っていた。

 このまま行けるところまで行って、旧銀街道まで出るつもりだ。

 砂漠の西都アネッタから山裾に沿って、直接オ・ロンへつながる旧銀街道は、薬の街道と呼ばれている。けれど、山腹に刻まれた道は険しい。

 岩盤を砕いて道をつける為、アネッタからカタラクトまでは、人がようやく対向できる道幅しかない。

 たとえ遠回りでも、確実に応戦できる街道を選んだほうが、逃げのびるチャンスはある。

 ヤムたちが旧銀街道を避けたのは、カタラクトまでの道程で、追っ手の襲撃から身を守る場所がないと、判断したからだ。

 そんな旧銀街道の中間地点にあるカタラクトは、山間部の名所でもあり、危険な旅での休息場所でもあった。

決して裕福な街ではないし、まっとうな人間ばかりの街とも言いがたい。

 ミッテレスに用のない旅人や、山里の村へ行く人身売人。

 薬を買い付けにオ・ロンへ急ぐ商人などで、いつもごった返しているカタラクト。その治安の悪さが、リュイーヌたちの身の安全を保障するとは、なんとも皮肉なものだ。

 さいわいカタラクトからオ・ロンまでの旧銀街道は、馬車が使えるほど整備されている。

 まだまだ敵を出し抜くチャンスは、残っているはずだ。

 ヤムの提案で、皆は変装してカタラクトの街へ入ることにした。

 フリアは旅の歌姫に。

 リュイーヌとミランディアは薬師に。

 ヤムとメティスは古着の行商人に姿を変えて、別行動をとると決まった。

 落ち合う先は、笑神(モモス)亭。

 ふざけた名前だが、ヤムは充分に安全な店だと保証した。

 運搬船で過ごすこと五日。

 朝日に白みはじめた前方に、見上げるほどザナック山脈が迫ってきた。

 緩やかだった流れが、巨大な滝の影響で逆巻くように勢いを増しはじめる。

 人目につかない船着場に船を隠し、あらかじめ決めておいた手順で、一行は河に沿って切り開かれた山道を、カタラクト目指して出発した。

 のんびりと田舎家の軒先に古着を広げ、ヤムは集まってきたおかみさん相手に商売をしていた。

 道に面した軒先が即席の古着屋となり、娯楽の少ない山間の村が活気づく。

 口のうまさと人好きのする笑顔は、ヤムを生まれついての商売人にみせていた。

 その前を薬師(くすし)の長衣(ローブ)をひるがえして、リュイーヌとミランディアが追い越して行く。

 半分ほど古着を売りさばいても、フリアの姿は現れない。

「しょうがねぇな、ねぇちゃんは」

 軒先を借りたおかみさんに、気に入った古着と銅貨五枚を礼に渡し、ヤムは腰を上げた。

 ほこりまみれの坂道に踏み出したとたん、目の前を荷馬車が通りすぎて行く。

 その荷台で、見送るヤムたちにフリアが笑いかけた。

「まいったね。ねぇちゃん、よくやるわぁ」

 呆気にとられるメティスと見交わし、ヤムは陽気に笑い出した。

「行こうぜ、おいてけぼりにされちまう」

 そう言いながらも、ヤムは古着の行商をやめなかった。

 とっぷりと日が暮れたころ、やっと笑神(モモス)亭に着いたヤムの金袋は、はちきれんばかりに膨らんでいた。

「ここだ。お嬢たち、待ちくたびれてるぜ」

 笑神亭は、気風の良い女将(おかみ)の店で有名だ。

 開け放たれた扉をくぐろうとして、ふたりは足を止めた。

 入り口のそばに、ボロをまとった女がうずくまっていたのだ。

 あきらかに女は病気らしく、じっと動かない。

「どうしたのですか?」

 近づこうとするメティスを引き止め、ヤムはいつになく強引に店の扉をくぐった。

「かかわるんじゃない。いいな」

 痛いほどつかんだヤムの手に引かれ、足を運ぶ。

 堅い横顔に、メティスは息を呑んだ。

 明るいカウンターで、女将のルイサが笑顔で出迎える。

「久しぶりだね、ヤム。お連れさんたちは、いつもの部屋に上がったよ。リーナに夕食を運ばせるから、そちらさんも部屋に案内しようかね」

 なにげないルイサの言葉に、警告が含まれている。

 ヤムはリーナに、メティスをまかせた。

 リーナはルイサの一人娘だ。

 母譲りの黒髪をおさげに編んで、鼻の頭にかわいいそばかすを浮かせている。

「ありがと、リーナ。かわいいぜ」

 からかい半分のヤムに、リーナは舌を出した。

「ばぁ~か」

 赤くなった上目づかいが、あどけない。

 カウンターへ腰を落ち着け、ヤムはのんびりと店を見渡した。

 店内の客は、少ない。

 二、三人の傭兵と、商人らしい男がひとり、入り口近くのテーブルに散って食事をしていた。

「このごろは、入りが少なくてね。アルラントが、戦争なんか始めたものだから、ここいらへんまで景気が悪くなっちまった」

 自慢の料理を並べ、ルイサは苦笑した。

「ここの酒は久しぶりだ。樽で四つばかり、みやげにしようかな」

 皿の陰に置いたヤムの宝石を、ルイサはなにくわぬ顔で手のひらに握りこんだ。

「いつも、ありがとね。親父さんの好物を、おまけしとくわ」

 酸味の強い山羊酒を飲み干すヤムに、ルイサは笑って頷いた。



 シンッと、闇が鳴いている。

 厚く雲のたれこめた真夜中。

 ミランデイアは異様な気配に目を覚ました。

 胸騒ぎは、特別にめずらしい能力ではない。

 人は誰でも、多かれ少なかれ身につけている本能だ。

 ただの人というには無理のあるミランディアだが、もし動物と植物とに別けるなら、あきらかに人という部類に含まれる。

 たとえ、神に近しい種族であってもだ。

 ヤムたちのいる隣の部屋で、かすかな物音がしたとたん、ミランディアは剣を抜き放ち、そっと廊下に踏み出した。

 フリアも剣を構え、リュイーヌを守る体勢になる。

 ひとけのない廊下で、ミランディアはバンダナをはずした。

 ヤムたちの部屋の扉を凝視する額に、淡く白い光が宿る。

『ふたりか。ヤムのやつ、どう出るか』

 そっと近づいたミランディアは、勢い良く扉を蹴破り、鋭く剣を一閃した。

 キンッと弾ける音がして、寝台から身を転がしたヤムの鼻先へ、銀の刃が突き刺さる。

「あっぶねぇ! ひでぇな、ねぇちゃんっ」

「すまぬ、手元が狂った」

 うす笑いを浮かべ、間髪を入れず踏み込むミランディア。

 メティスの寝台に斬りつけようとする影が、後ろへ跳んだ。

 その影にヤムが短剣を放ち、バランスを崩した影の胸に、ミランディアがとどめを打つ。

 声もなくひとりが床に沈んだ瞬間、もうひとりは開け放った窓から身を躍らせていた。

「待てっ!」

 あとを追って乗り出しかけたヤムの襟首を、力いっぱいミランディアが引き戻す。直後、天井に突き刺さる音がして、鋭利な銀の刃が震えた。

「みさかいのない奴だっ。相手は、暗殺者だぞ!」

 床と天井から刃を抜き取り、ミランディアはため息をついた。

 柄のない刃先だけのナイフは、両端が鋭い楕円形の暗器だ。

 砂漠の巨大獣サンド・セムから取った堅い鱗を、細長く切り出し短剣に使うのは、アルラントの暗殺者と言われている。

「だいじょうぶか?」

 寝台の下から這い出したメティスに手を貸そうとし、そのままヤムがつっぷしてゆく。

 抱きとめたメティスの腕に身体をあずけ、凍える悪寒にヤムはうめいた。

 食い込む痛みが、ほほから首に広がって痺れに変わってゆく。

 窓から乗り出したとき、ほほをかすった刃先に、毒が塗られていたのだろう。

「おまえでなくて よかった」

 目の前で歪むメティスに笑いかけ、ヤムは意識を失った。

「ヤムッ!」

 急速に冷たくなってゆくヤムを抱きしめ、メティスは悲鳴を上げた。

「いやだっ、ヤム!」

 うろたえるメティスを押しのけ、ミランディアはヤムの脈取った。

 悲鳴を聞きつけたフリアが、剣を構えたまま部屋の中を窺い、すぐに背後のリュイーヌを振り返る。

「ウォディンの杖(ロッド)を」

 フリアに命じ、リュイーヌはヤムのかたわらに膝をついた。

「暗殺者の暗器です。毒が」

 ヤムの脈をとるミランディアが、かすかに首をふる。

 背負い袋を運び込み、くくりつけた布をほどいてフリアは短い杖を差し出した。

「姫様」

 二重螺旋(らせん)にねじれた先細りの杖は、銀白色の表面に細かな神聖文字が刻まれている。

 ヴァルリオリンの巫王が、呪術を施すさいに使用する杖だ。

 先端近くに穿たれた紺色の宝石が、流れるように輝きを変える。

「メティス。ラジェッタの就学僧なら、ワオス三面神の召還ができるはず、わたくしの力になってください」

 返事を待たず、リュイーヌは呪文の詠唱をはじめた。

 杖の先端から描き出される銀線が、空中で神聖文字を綴り、部屋全体に満ちてゆく。さながら身をくねらせる竜のごとく、雄大で荘厳な光文字だ。

 押しのけられたまま、メティスは恐怖に打たれ凍りついていた。

『ヤムが死ぬっ!』

 蒼白んで生気のないヤムの顔から、目が離せない。

『おまえでなくて、よかった』

 最後に見せたヤムの優しさで、メティスは自分を責めた。

 凄まじい後悔に、心が動けない。

 衝きあがる恐怖に頭をかかえこみ、メティスは床につっぷした。

「いやだぁっ!」

 泣き騒ぐ姿が、フリアの怒りをあおった。

 容赦なく引きずりおこし、胸倉を締め上げて壁に打ちつける。

 激しくフリアが揺さぶるたび、ゴツゴツとメティスの頭が鳴った。

「目を覚ませっ、逃げるな!」

 痛みと首を締められる苦しさで、やっと我に返るメティス。

 目の前に、鬼気迫るフリアの顔があった。

 怪我をした我が子を抱き、素足で僧院へ駆け込んで来た母親と、同じ目をしているフリア。

 今にも叫び出しそうな不安をねじ伏せ、なにものも寄せつけぬ激しさで、ひたすらにヤムを救おうとするフリアの表情に、狂わんばかりだったメティスの心が静まってゆく。

「フリア さん」

 メティスの目に正気が戻ったのを確かめ、フリアはゆっくりと手を離した。

「三面神の召還を。おまえが力を貸さねば、ヤムは助からぬ」

 床に膝をつき、リュイーヌは祈りつづけていた。

 埋めつくす光文字が収束し、横たわるヤムを巻き込んでゆく。

「三面神の、、、、、 はい。  はい フリアさん」

 座りなおし、メティスは呼吸を整える。

 方法は教わっていた。だが、メティスにとって、これは初めての召還だ。

 恩師ルーウェンですら、めったに行わない呪術だった。

『やらなくちゃ。ヤム、死なないで』

 現世を見守る女神メサーナ。来世を統べる女神クロト。その中間にあって、魂の天秤を持つヤヴァル神。

 この神々は、ひとつの身体に三つの顔を持つとも言われている。

 三面神の召還は、生死をさ迷う者の蘇生を助ける。

 決められた呪文を唱え、ゆっくりと右手を胸まですくいあげる。

 神の御名をなぞり、クロト神の印を結んだ瞬間、フッと右手に闇が湧いた。

『! 裂けるっ』

 氷剣が突き刺さったような痛みに、思わず無音の息を吐く。

 ここで失敗したら、ヤムは。

 気力をふりしぼり、メティスは宣(のたま)った。

「陰(クロト)!」

 闇が渦巻き、右手のひらに、黒々とした輝球をかたちづくる。

 そのまま左手を天にかざし、なにかを受け取るようにメサーナ神の印を結ぶ。

「陽(メサーナ)!」

その刹那、焼けただれる痛みをともなって、左手に閃光が凝った。

 身体を砕く痛みに、思わず叫びそうになる。

 遠のく意識にしがみつき、メティスは歯をくいしばった。

 反発する左右の輝きを押さえ込み、渾身の力をふりしぼって合掌する。

「極(ヤヴァル)!」

 ぐにゃりと、空間が歪んだ。

 ふたつの輝きが絡み合い溶けあわさった瞬間、すばやく触手を伸ばした光文字が、召還した三面神の力を取り込んだ。

 弾き飛ばされ、メティスは壁に激突した。したたかに背を打ち、息がつまる。

 身動きできないメティスの前で、厚くヤムを覆いつくした光の繭が、身体に染み込んでいった。

 リュイーヌのかざした杖の先端で、薄氷の割れる音がした。

 宝石の表面に澄んだ雫が膨れ上がり、ヤムの唇へ伝い落ちる。

 落ちた雫を中心に、力強く清浄な波紋が広がった。

 皆が見守るなか、蒼白んだヤムのほほに、温かみが戻ってくる。

「ヤム?」

 にじり寄り、メティスはそっと胸に耳をあてる。

「ヤム」

 汗にぬれたヤムの髪をかきあげ、メティスは頭を抱きしめた。

「神様、感謝致します」

 まだ意識のないヤムの左耳で、命の炎が煌くように、ピアスが輝いていた。

「よくやった」

 しゃくりあげるメティスの肩に、フリアは震える手を置いた。

 小生意気で、ことごとく疳にさわるヤムだが、死を目前にしたとき、フリアは 心がちぎれるほど怖かった。

「すみません。わたしは、どうしようもない意気地なしです」

 取り乱し、役立たずな醜態をさらけだしたと、メティスは後悔していた。

 顔を上げるのも躊躇するほど、恥ずかしさでいっぱいだった。

 ヤムはもちろんのこと、フリアもミランディアも、まわりの者を守り抜く強さにあふれている。そして、守られているはずのリュイーヌ姫ですら、いざとなれば冷静に人を救う力を発揮したのだ。

 それにくらべてと、メティスは己が醜態に身震いした。

「すみません」

 いまにも消え入りそうな声だ。

 手の甲で涙をぬぐうメティスを、フリアは片腕で引き寄せた。

 確かにフリアから見れば。いや、誰が見ても、あの時のメティスは女々しく映っただろう。

 取り乱し、泣き叫ぶほど、メティスはヤムを慕っていた。

 傷ついた自分を守り、はげまし、生きる勇気をくれたのは、ヤムだったのだから。

『わたしだって、いつのまにかヤムに、生きる力をもらっていた』

 フリアは小さく笑った。

『いつのまにか。 か』

 ミランディアがヤムを寝台へ抱いてゆき、こわれものを扱うように横たえる。

 リュイーヌの灯したろうそくの明かりに、おだやかな寝息をたてるヤムが照らしだされた。

「おまえは、よくやった」

 しょんぼりするメティスと、国に残してきた弟が重なって、フリアの胸がせつなくなる。

 代々巫王の近衛を務める家系に生まれながら、ひ弱だった弟。

 フリアが巫女姫に仕えた時、弟は不安げに告白した。

『わたしは、生きている価値がないのです。姉上のように、だれの役にもたてない、厄介者です』

 意気地のない告白に、一喝して突き放した日から、フリアを見る弟の目に絶望が宿った。

 あの時、もっと優しく受け入れて、それで良いと言っていれば、弟は心を閉ざさなかった。

 おまえの優しさは、人としてすばらしいものだと、はげましてさえいたら。。

「気にするな。おまえに必要なのは、自信と経験だ。だれでも初めから、強かったわけではない。おまえもいつか強くなれる」

 自己嫌悪で曇っていたメティスの顔が、少し安らいだ。

 うなづくフリアに、照れた笑みが返ってくる。

 そんなメティスを見て、フリアは遥かな地に残してきた弟に、心の中で語りかけた。

『すまない。おまえの気持ちを、思いやれなかった。許してくれ』

 灯りをかざし、ミランディアは暗殺者(サッシン)の死体から覆面を取る。

 現れた顔を見て、メティスは鋭く息をのんだ。

 この女は。この顔は、確か。

「宿の入り口で、病気を装っていた女だね。ヤムが、かまうなと言った女だろ? 何があったんだい」

 開けた扉に手をかけ、女将のルイサがそこにいた。

 寝台のヤムと、頭もとの小机に置いた暗器に目を走らせ、ルイサはホッと息をついた。

「すぐ出発できるよう、手配するよ。あとのことは、このルイサに任せて。安心して行きな」

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