第43話 お祭りの後
「クリスタ君、ルンルンですね!」
「うん! これ買ってくれてありがとーございます!」
「いえいえ」
ふふ、クリスタ君凄く機嫌良さそうにしててこっちも元気になってきちゃいますね。
そんなクリスタ君はペンを手に喜んでて、何回も見たりして微笑んで、ふふ、凄く気に入ったみたいですね。
あの光が収まった後、お祭りの屋台を見ながら歩いていたら屋台の人に呼び止められて見てみたら、そこの屋台ではお祭りの記念品とかって言って変わった食べ物を売ってたので買っていたら、屋台の人がお金のやり取りで紙にペンで書いてるのを見てクリスタ君がそれ何ってペンの事を聞いて、屋台の人が説明すると目を輝かせてそれ欲しいって言ってたので、近くに売ってないか聞いたらそこから何個か隣がペンとか紙とか売ってるところのお祭りの時の出張販売所ってところだったので、行ってクリスタ君と一緒に見て選んで買ってあげたら、それからずっと喜んでもうルンルンです。
あ、あと、いつでも書けるように紙も買ってクリスタ君のバッグに入れておきました。
お祭りはあと少しで終わるって事だったので、皆さんと屋台巡りしたかったんですけど、レオンさん達は疲れたって言ってフクゥダ公爵様のお屋敷に戻っちゃいましたし、コロンさんも何か用事があるらしくて、マイティアちゃんは寮の時間があまりないそうで、あと、カリンさんも自分のお店を見に行くって言って、残ったクリスタ君とお祭りの屋台巡りをしている訳です。
「それにしても、トパーズサイト様が笑ってくれて良かったですね」
「うん! お姫様笑顔になってくれて良かった」
あの光が去った後、トパーズサイト様がステージ上で急に泣き出したのでびっくりしましたけど、その涙を拭って「私の方こそ、ありがとう皆」ってお空に向かって笑顔で言ってました。
少ししんみりとした感じでしたけど、その後少し騒ぎがあってしんみりした感じがなくなっちゃいましたけど。
なんというか、壊れてた部分を補強した丸太が全部抜けて地面に綺麗に並んでいて、その補強した建物が全部元通りに直ってました。あと、あの青い大結晶が消えたって騒ぎになってましたね。
それで凄くざわざわしてました。
一体どこに行っちゃったのか色んな人が色々言ってましたけど、どこに行っちゃったんでしょうかね?
人によってはノクターンホロウが奪っていったんだろうって人もいましたけど、コロンさんずっと傍にいてそんな事出来ないと思いますし、あ、もしかしてコロンさんのお父さんとかお母さんでしょうか?
うーん、ですけどあんな大きいのどうやって運んだんでしょう?
もしかして、凄く力持ちなんでしょうかね? あ、もしかしたらそうかもしれませんね。私よりずっと大人なんですから。
ですけど、皆さんに気付かれないように動いてって凄いですね。あんなに大きい物運んでたら普通に気付きそうですけど。
でも、それが凄腕の怪盗さんだから出来たんですかね?
そんな騒ぎについて考えていたら不意に袖が引っ張られました。
何かと思ったらクリスタ君です。
「クリスタ君、どうしました?」
「僕ねこれでね、お絵かきしたい!」
クリスタ君が凄く目をキラキラさせてペンを握ってそう言います。
お絵かきですか。
「クリスタ君、お絵かき好きなんですか?」
「うん!」
私の言葉にクリスタ君は嬉しそうに頷きます。
そういえば私もお絵かき好きでしたね。よくお母さんとお父さんの事かいて褒められたりしましたし。ふふ、なんだか久しぶりに描いてみるのも良いかもしれません。
「そうですね。それじゃあ、屋台も見て回りましたし、フクゥダ公爵様のお屋敷に戻りましょうか。そしてお絵かきしましょう!」
「うん!」
そうして私とクリスタ君はフクゥダ公爵様のお屋敷に帰って―――
「レシア様、クリスタ様。お帰りなさいませ。こちらがお二人のお部屋となります」
なんだか凄い白いお髭の使用人さんに連れられて、凄いお部屋に案内されました。
そこは、真っ白い家具が置いてあって、ベッドも真っ白です。
なんというかコーメインで案内された屋敷のお部屋よりも広くて、なんというか大きく感じますよ。
「わー! すごーい! 凄いね。れしあさん!」
「そうですね! 凄いですね!」
そんな凄い様子にクリスタ君と話ていたら使用人さんが
「部屋にある物はお好きにお使い下さい。それでは、私は失礼致しますので何か御用が御座いましたらテーブルの上にある鈴を鳴らして下さいませ」
と、出て行っちゃいました。
お好きにして良いんですか! ならば!
「それじゃあ、クリスタ君。お絵かきしましょうか!」
「うん!」
そういう訳で私とクリスタ君はテーブルに座って紙を取り出し、描き始めます。
と、いっても何を描きましょうかね? あ、そうです。クリスタ君を描いてあげましょう!
そういうわけでクリスタ君を描きます。
えーと、顔がこう、丸くて、髪がサラサラで―――、あれ? 顔の感じどうでしたっけ?
いつも見てるんですけど、いざ描くとなると分からないですね。
あ、そうですよ。クリスタ君を見て描けば良いんですよ。ふふ、流石私!
という訳で、クリスタ君を見るとクリスタ君は凄く真剣な感じで描いてます。描いてますけど、ふふ、小さな手で持ってる感じ可愛いですね。
って、今はそうじゃないですね。
えーと、顔は、顔は―――
下を向いてるので感じが分かりません。
少し顔を上げてくれませんかね?
むむー、あ。そうです!
「クリスタ君クリスタ君、ちょっと顔上げてもらっても良いですか?」
「ふえ?」
私がそう声をかけたらクリスタ君はそんな声を出して顔をあげてくれました。
あ、そういう感じですか。
「ありがとうございますクリスタ君」
「どーいたしまして?」
クリスタ君にお礼を言って再度お絵かき再開です。
おめめがこうクリクリで、えーと、お鼻は小さくてお口も小さいですね。
ふふ、良い感じです。
そしてしばらく集中して描いてついに―――
「「 できたー! 」」
二人で声が被っちゃいました。
ん? という事は。
「クリスタ君も描けたんですか?」
「うん!」
私の言葉にクリスタ君が嬉しそうに頷きます。
ふふ、それじゃあ
「それじゃあ、一緒に見せ合いっこしましょうか」
「うん」
というわけで、「せーの」で一緒に紙を出しました。
ふふ、一体どんな感じに描いてくれたんでしょうかね。
そう思って見たら―――……
「―――え?」
そんな声が出ちゃいました。
だって、しょうがないですよね。だって、クリスタ君が描いたの私なんですもん。
いえ、私だから驚いた訳じゃ無くて、その、白黒の鏡を見てるようなそんな感じの絵です。
え? これ、どうやって描いたんですか? え? これ、絵ですよね?
いえ、絵なのは間違い無いでしょうけど……。
私の絵、あんな感じなんですけど、これ、どうしましょう。絶対なんかこう言われそうな気がしますよ。
そう思ってクリスタ君の方を見たら、
「これ、僕!?」
凄く嬉しそうに目を輝かせてそう聞いてきました。
「え、あ。そ、そうですけど」
「わあー! ありがとー!」
凄い嬉しそうにそういうクリスタ君ですけど、え、ええ……、私のそんな絵で喜ぶんですか?
ですけど、クリスタ君が凄く嬉しそうなので、まあ、良いんですかね?
そう思っていたら急にドアがノックされました。誰でしょうか?
「レシアー、帰って来たって聞いたけど、いるー?」
あ、コロンさんです。
「いますよー」
「入っても良い?」
「大丈夫ですよ」
そうして返事をするとドアがガチャッと開いてコロンさんが入って来ました。
「コロンさん、用事終わったんですか?」
「いや、あの用はまだ終わらないけど、ちょっとレシアとクリスタに話があって」
「話ですか?」
話ですか。うーん、話ってなんでしょう?
あ、もしかしてあの大結晶が無くなった事について知ってる事を教えてくれるんでしょうか?
やっぱり、犯人はコロンさんのお父さんお母さんだったって事ですかね?
そうしてコロンさんの言葉を待っていたら、コロンさんはゆっくりと口を開きました。
一体どんな言葉が出るのか少し楽しみで、ドキドキです!
「私、やりたいことがあるんだ」
「やりたい事ですか」
あれ? お母さんとお父さんが犯人って話じゃ無いんですね。
ですけど、やりたい事ですか。何をやりたいんでしょう?
「うん。私、昔から遺跡とかそういうモノを調べる考古学者になるのが夢だったんだ」
「そうなんですか」
ここに来て初耳です。ですけど、昔からの夢ですか。良いですね。
私も小さい時に旅に出たいって思ってましたし。
ん? ですけど、なんで今そんなお話しするんでしょうかね?
そう思っていたらコロンさんが続けました。
「だから、
「「 ―――へ? 」」
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