光合成少女の世界旅 ‐そうだ！世界を見に行こう！‐

第36話 光晶祭 －協力を求めて－

　うう、全然見つかりません。

　辺りを探しても、棺の中も探したんですけど全く見当たりませんよぉ～。

　うう、皆さん。どこに行っちゃったんでしょう。

「ねえねえ、れしあさん」

　と、クリスタ君がくいくいと服を引っ張ってきました。

　こんな時に何でしょう。

　あ、もしかして！

「見つけたんですか！？」

「見つけてないけどね」

　見つけてないんですか……。

「こーゆー時は皆と一緒にした方が良いと思ったの！」

　と、クリスタ君が力説してきます。

　確かに皆さんで探した方がいい気はしますね。

　あ、そう考えたらとても良い案だと思います！

「それじゃあ皆さんを呼びに戻りましょうか！」

「うん！」

　そういう事でクリスタ君を抱いて、マイティアちゃんが作った天井の穴から外へ出ると、そこは―――

　えーと、どこなんでしょう。ここ？

　辺りを見渡しても見た事が無い場所ですけど……？

　近くには立派な建物がありますけど。

　なんというか立派ですけどトパーズサイト様がいるあのお屋敷では無いですし、うーん？

　あ、そんな事よりも、早く皆さんのいるところに行かないとですよね！

　そういう訳で、皆さんのいるトパーズサイト様のお屋敷目指してお空を飛んでいきましょう！

　そういう訳で飛ぶ高さを高くしてお屋敷を探します。

　ぐるーっと見たらすぐに見つかりました。

　結構見つけやすくて良かったです。

　さあ、それじゃあ皆さんを探すためにお屋敷に向かって全速前進です！

　といってもそこまで速くないので、あ、そうです。

「エアークイック！」

　こうして進む速さを上げて進めば―――っばばばばッ！？！？

　何でしょう？　何でしょう！？　確かに飛ぶのを早くするためにエアークイックをかけましたけど、急に進む速さが思ったよりも速くなって―――ッ

　上手く動かせませんー！

　なんで急にどうしたんですかぁ！？

　あばばばばばば！　このままじゃ、このままじゃお屋敷に―――ッ！

　私が思った事を思い浮かべるよりも早く、私の体はお屋敷の窓ガラスを突き破って、ゴロゴロ転がって、壁にぶつかって止まりました。

　うう、痛いです……。

「れしあさん、だいじょーぶ？」

「な、なんとか……」

　思いっきり腰を打って痛いですけど、それどころじゃありませんよね。

　早く皆さんにお知らせしないと……。

「そこを動かないで！」

　私が体勢を直そうとした時、そんな声が聞こえて声のしたに顔を向けるとカリンさんが階段の下に見えました。

　あ、これは丁度良いです。

「あのねかりんさん大変なのー！」

　と、私が言う前にクリスタ君がカリンさんに話しちゃいました。

　わ、私が言いたかったのに。

「大変って、クリスタちゃんにレシアちゃん？　どうしてここに。というか何が大変なの？　それに一体何があったの？」

「あのね。かりんさんにもらった石がねころころーってなってねまいてぃあさんにねぶつかったらね、もわ～ってなってね三人がひゅんってなっちゃったの！」

　クリスタ君が一生懸命身振り手振りであの時の状態をちゃんと分かりやすく説明してます。

「え？　えーと、どういう事かしら？」

　って、ええ！？　カリンさん首を傾げちゃいましたよ！？

　こんなに分かりやすい説明なのに！

「いえ、ちょっと待って。私の石。まさか、あなた達使わないで持ってたの？」

「ふえ？　うん。だって持っててーって言ったから僕持ってたよ？」

「成る程。だから……。もしかして石はあなたがずっと持ってたの？」

「うん！」

「成る程ねぇ～」

　あ、あれ？　なんか納得しちゃいましたよ？

　えーと、どういう事なんでしょうか？

　って、今はそんな事気にしてる場合じゃ無いです！

「それよりもカリンさん！　皆さんが、マイティアちゃん達がいなくなったんです！」

「ええ、でしょうね」

「そうなんです！　大変な―――、へ？」

　あ、あれ？　カリンさん、今、でしょうねって、あれ？

　なんで納得してるんでしょうか！？　謎が謎ですよ！

　あ、でも、待って下さい。あの石ってカリンさんがクリスタ君に渡した物ですよね？

「安心してちょうだい。あの子達ならちゃんと来てるわよ」

「え？」

「ふえ？」

　私が答えをたたき出そうとしたそんな時、カリンさんの言葉で目が点になっちゃいました。

　だって、来てるって……。

　え？？　どういう事ですか？

「ついて来て。というか、今更だけれど、レシアちゃん。ずっとそんな体勢だけれど、大丈夫なの？」

「へ？　あ、大丈夫です」

　そういえばずっと壁に腰をぶつけたままの体勢でした。

　私は返答してから体勢を直し、立ち上がってクリスタ君と共にカリンさんの後を追っていきます。

　そして、とある部屋へ。

　来たのは良いんですけど、カリンさんが入り口で止まっちゃったから、カリンさんの大きな背中で見えないので中の様子全然分からないんですけど。

「おお、カリン。して上から聞こえた音は何だったんじゃ？」

　そしたら聞き覚えのある声が聞こえてきました。

　フクゥダ公爵様の声です。

「この子達がいたわ」

　と、フクゥダ公爵様の言葉にカリンさんはそう返すと、横にずれました。

　そのお陰で私にも部屋の中が見えました。

　そこには―――

「あ、レシア」

「おりなーです！」

「二人ともご無事で」

　―――皆さん勢揃いしてました。

　そんな部屋の床には居なくなったマイティアちゃん達の姿もあります。

　何でかよく分かりませんがとりあえず、よ、良かったです。

　謎は謎ですけど。

「色々聞きたい事はあるが、とりあえず、霊廟で何があったんじゃ？」

　一安心していたら、フクゥダ公爵様がそんな質問をしてきました。

　何があったのかって……

「えーとね、大きくてねぐわーって感じのがねぐわーってしてるのをね、れおんさん達がね、わーってやってね、危なくなってね、れしあさんがぐわーにね、とりゃーってやってね。

　その後にね、まいてぃあさんにねれしあさんのがね刺さっちゃったんだけど、無事でね、まいてぃあさんがその刺さったの手に取っててね、ぱらぱらーってれしあさんの剣が壊れてね、れしあさんがねあわあわしててね、でもね、まいてぃあさんが持ってるの光ってね、僕とれしあさんでね、神様にお願いしてね、まいてぃあさんが倒したの。

　でもね、まいてぃあさんがね急に倒れてね、わんだーさんが来てね、ぱんって音がしてね。皆がね、倒れてたの。

　そこにかりんさんが来てね、皆でね、皆を運ぼうとしたんだけど、僕持てなくてね、待ってて、石食べようとしてね、そしたらかりんさんから貰った石がねころころーってね、まいてぃあさんに当たってね、そしたらね、倒れてたでぃあなさんと、るーはんさんがね、もわーってなってね一緒に消えちゃってね。

　皆で探そーってれしあさんに言ってね、ここに来たんだよ」

　私が話す内容をまとめようとしている間にクリスタ君が説明してくれました。

　あの時の状況が凄く分かりますね。

　これなら、皆さん納得するでしょう。

「う、うーむ、なかなか大変じゃったんじゃなぁ～」

「うん！　大変だったよ」

「そうじゃろうなぁ～。んー、すまんがそこの嬢ちゃんにも何があったのか聞きたいんじゃが。よいかの？」

「ふえ？」

　フクゥダ公爵様の言葉に首を傾げるクリスタ君。

　確かにクリスタ君の説明で結構分かりやすかったですし、私が言える事なんて無いと思いますけど。

「お前さんの見た事は分かったが、人によっては見てる物が違うからのぉ。他の人の見ていた物を聞いてもっと詳しく知りたいと思ったんじゃよ」

「そーなの？」

「そーじゃよ」

　え？　そうなんですか？

　同じ場所にいたから同じ物見てると思うんですけど、というか、クリスタ君の話した内容そのまんまなので特に違う事も無いと思うんですけど……。

「と言う事でお嬢さん、お話良いかの？」

　そう言われても……。

「そう言われても、クリスタ君が話したとおりで私が話す事無いんですけど……」