後書

ここまでご覧戴きまして、ありがとうございました。


 もう、何度この作品の後書を書いたことでしょう。

 最初は、1992年の冬、初稿を書き上げたとき。

 二回目は、リメイク版として2000年1月にオンラインでの連載が終了したとき。その後、ダウンロード版を作成したときが三回目ですね。

 今回を入れると、四度目になります。

 回数を重ねたからといって、後書の内容が変わるわけではありません、いつも大体同じことを書いていた様な気がします。


”こちらの作品は、とても古く――1992年前後に書かれたものをリメイクして、1999年にオンライン上で発表したものです。当時の世相を反映しているのか、携帯電話も登場しません。実にシンプルな時代のお話です。

 一度、とある賞に応募させていただきまして。――残念ながら、といいますか、当然ながらといいますか。予選通過のみで終わってしまったのですけど。それでも、思い出深い作品には変わりないのです。そのせいか、わざわざ後半部をリメイクしてまで、発表してしまったのかもしれません。


 何度か語ってはおりますが、こちらの第一章冒頭部分。これは、私が遠野→岩泉を訪れたときのイメージをもとにしております。実際、電車が遅れて夜中に喪服の青年が迎えにきたりはしませんけどね。小さな駅舎、そこに置かれただるまストーブ、一緒にあたった地元の人たち、親切で人懐っこい駅員さん。その雰囲気をそのまま出すことができればよいなあ、と。思っていました。


 伝奇は私の原点でもありますので。いずれまた書きたいと思っています。”


 上記のコメントが一番言いたいことを凝縮しておりましたので、この言葉を持ちまして後書にかえさせていただきます。


 2007/10 サイト新生にともなう後書として。


 と、書いたのも、今は昔。懐かしい話です。

 もう、平成も終わろうとするこの時期に、またこの話に携わることになるとは。

 運命なのか、因縁なのか。まあ、感慨深いものであります。

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かりやのまお 上庄主馬 @septemtrio

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