幕間 古の記憶
その昔、この世界は深い深い海に覆われていた。
底も果ても見えぬ海。
そこには獣達がいた。
故も知らぬ獣達。
ただ、生存する事だけを目的に生きていた。
絶えず死に、絶えず生まれる獣達。
海はやがて紅く紅く染まっていく。
やがて、ある獣が現れた。
生まれたその時から死の狭間に揺蕩う己が生命を嘆き海上へと向かった。
そして知る。
何者もいない空を。
約束された安全を。
獣は空へと飛び立った。
神話の時代が始まる。
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