第5話 確率のライダーバトル


ーゲーセンー


様々な音が鳴り響く中、私はとあるアーケード筐体の前にいた。そう…仮面ライダーバトル「ガンバライジング」。今日はバトルもやりに来たものだが、問題はそこじゃない。この確率という壁を打ち破って最高レアのカードを狙う!なのでバトルは一回だけ。

「カード…カード…」

手持ちのカードケースから自分のライセンスのライダーカードなどのカードを取り出す。そして100円を筐体に投下する。

『ゲームをするときは画面に近づきすぎないように注意してくれ!』

お決まりの注意台詞。正直もう一度聞く羽目になるのだが。というか何でここのゲーセンは9月6日を過ぎてもボトルマッチ6弾なの?もう普通のゲーセンじゃライダータイム1弾でジオウ収録されてるのに。

『遊びたいモードを選んでくれ!』

迷わず「ライダーバトル」のボタンを押す。そしてライセンスのカードを専用の読み込み部分に入れる。これまでのバトルの記録を残すのに大事なカードだ。

『カード出口からカードが出てくるぞ。カードの取り忘れに注意しよう。』

さぁて最初のカードは、ディケイドのレア…まぁ最初はこんなものか。

『さぁ、変身だ!君のライダーカードをスキャンしよう。』 

今回使うカードは最高レアのビルド(ジーニアスフォーム)、マッドローグ、エボル(ブラックホールフォーム)。全員がビルド系ライダーだから追加効果が多い上に現状最強かもしれないビルドジーニアスはカードをこする特殊操作によって最初のターンはアイコンが全て「ゲキレツ」へと変わる。これが強さの秘訣だろう。さらにマッドローグとエボルがいることによりこの二人はより強力になる。これはもう「勝利の法則」は決まってるようなものでしょ!

『あなたに忠誠を誓おう!』

『ま、せいぜい奮闘してくれよ…』

この掛け合いが見れるのは嬉しい。ただ、内海さんもう少し気合い入れてもよかったんじゃないかな…?

『相手チームの登場だ!』

『俺は最強になる…!』

おぉ…難易度「難しい」にしてはいるが、まさかの仮面ライダーリュウガを中心とした「仮面ライダー龍騎」チームとは。横にいるのは龍騎サバイブとナイトサバイブ。相手もシリーズ同一で来るとはね。

「さっ!天才ゲーマーYのプレイを見せてあげるわ!」


※雄子は特撮のゲーム以外得意ではありません。


『バトルスタート!チームのカードを下げよう!』

もう既にセッティング済み。ここから熱きライダーバトルが始まる…!スロットバトルを制し、攻撃の権限を我が物にする。とりあえずガンバライジングはスロットバトルに勝てば一方的にこちらから攻撃出来る。なんともシンプルなんだ。

『カードをこすって必殺技だ!必殺技を出したいライダーのカードを動かそう。』

どれにしようか迷うがここは普通に火力の高いビルドジーニアスでいく。

『勝利の法則は決まった!いくぞ!」

ダメージ1190。流石は最高レアの火力。もう次にバーストをすればもうこちらの勝ちである。終わるのが早い…


ー数分後ー


『でやぁぁぁ!!』

はい勝ち確定。もう後はどのライダーをバーストしても大ダメージでオーバーキル。

『カードを裏返してバーストだ!バーストしたいライダーを裏返そう!』

内海さんでもいい気がするが、やっぱオーバーキルに相応しいエボルにでもやってもらいますか。

『ブラックホールフィニッシュ!チャ~オ~!』

ダメージ5069!強い…強すぎる!流石は惑星1つ簡単に消せる火星人ですな。

『やったぞ!君の勝利だ!』

ライセンスに戦いの記録を残し一旦ゲームを終了させた後、もう一度100円を入れる。本当の勝負はここから!「カードを買う」モードで最高レアLR(レジェンドレア)が当たるまでひたすら100円を投下する!確か1プレイでカードを買える枚数は10枚。だがそんなことは関係ない。私は最高レアのLRを当たるまで100円玉を入れ続ける!!

『カード出口からカードが出てくるぞ。』

2枚目はノーマルのファイズ。そんな早々に出てくるほど甘くはない。さぁ2回目のコイン投下。

『カード出口から…』

エボルのSR(スーパーレア)!持ってないからいいものの惜しい!私が狙ってるのはもう1ランク上のカードなんだ!


ー数分後ー


「ダメだ…出ない…」

まぁこれも想定の範囲内…次、いくぞー!


ー数分後ー


「最高レアの確率低い!低すぎる!」

2000円もダメ…いやはや恐るべし、ガンバライジングの魔力…


ー数分後ー


「………………」

完全にチーンな状態……もうこれ以上入れても出る気配がない…しかもダブりの確率が異様に高すぎる。これは…一体どういうことなんだ…仕方ない、もう一回だけやってこれで出なかったら諦めるか。

『カードを買うモードを選ぶとバトルは出来ないぞ。それでもいいなら続けてボタンを押してくれ。』

もうこれが流れ作業。モードとかどうでもよしにカードを買う作業。もうキツい。

『カード出口からカードが出てくるぞ。』

さっと取り出す。そこで私が目にしたのは紛れもなく狙っていたカードのそれだった!

「オーズ(プトティラコンボ)のLR…!」

まさかの最後と思っていた矢先にこんなことがあるとは!!しかもこの弾で中々に使えるというプトティラのカード!!なんなんだ…諦めたらそこで試合終了とはまさにこのことだったのか!?

「次から使おう!」

こうして、私は帰りをルンルン気分で帰ったのを覚えている。

続く。



次回予告

久々の家で1日を過ごす雄子!

「今日は特に何か買うものもないしなぁー」

雄子の1日の過ごし方とは?

「あ、Youtubeの東映公式チャンネルから通知だ。」

次回「家でのアイツ」

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