特別話 2期記念の日
「あら美味しい」
「当然です!このロバが焼いたんですから!」
「私のレシピでね」
「う゛っ」
ここはジャパリカフェ。といっても、皆さんが頭に浮かべるであろう高山地帯のあそこではない。都市部に、昨年の夏オープンしたカフェだ。
定休日なのにその店にはフレンズが二人。一人は店主のピーチパンサー。もう一人はロバ。
店内のテーブル席のひとつに向かい合って座り、二人で丸パンを口に運んでいた。
「カフェ経営は良好?」
「もちろん、夏からずっと右肩上がりよ。そっちのパトロールの仕事は?」
以前にもお話したが、この二人は深い仲だ。一人の飼育員の元で育った二人は、姉妹と言っても過言ではない程だ。本人達はお互いを親友と呼ぶのだが。
「いつもどーりって感じ・・・最近の百合カップルがマフラーを恋人巻きにしてくるのが気に触るけど」
「あらあら、恋愛に興味がおあり?私なんかどう?」
「あなたは無理、磁石の同じ極は退け合うんですよ」
二人ともドSなのは一緒。
「そう?意外にいけるかもしれないわよ」
作者的にもアリだと思います。ちなみに〈トキノココンビの初めて〉で一番最初に書いて頂いた三次小説はロバ×ピーチパンサーだよ!意外だね?ありがとうございました!
あっ、若干そのセリフを逆輸入してたりする。わぁい!(投げやり)
「将来的にはいけるかもね?」
「上手な振り方ですこと」
なんて話をしながらまたパンを口に入れる。ロバが口をもぐもぐ動かし、コクンと喉を鳴らしてから笑みを見せた。
「それより、美味しく焼けましたね!」
「パンね?初めてにしては上手に出来てると思うわ。ところで、なんで急に『パン焼きたい!』なんて電話してきたのよ?」
「こう、なんか・・・ビビッときたの!何か運命的なものを感じるんです!」
「フフッ、なにそれ?」
「わかりません!でも、パン屋こそロバの天職な気が・・・!」
丸パンを高々と掲げ、力強く言い放つロバ。
「パトロールはどうするのよ?」
「・・・今世はライオンさんに着いていくって決めてるので、諦め」
「来世ってこと?」
「来世でなくても、いつか私の生まれ変わりがパン屋を開いてくれてるはずです!販売車で!」
「その頃にはその変態っぷりが抜けるといいわね」
「はぁ!?変態はあなたも同じでしょう!?」
なんて、お二人の休日の一ページ。
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