第2.5話 水着NOW!

 ※Twitterで得て以来温めていたネタがあります!某先生ありがとうございました!




「うーん、あんまりしっくりくる水着が無いなぁ・・・」


 ツチノコの水着を改めて探している最中。一瞬で得たコンプレックスをトキの手により一瞬で溶かされたツチノコは、水着探しにノリノリであった。が、なかなかいい物が見つからない。


「ナウだったらどういうのがいいと思う?さっきみたいなのはナシで」


 さっきみたいなのとは、トキが着せられたマイクロビキニのことである。胸の大きい小さいの話はさておき、アレは流石に恥ずかしいのだ。


「僕ねー・・・海とかあんまり行かないしなぁ、よくわかんないや」


「へー、なんか意外だな?よく行ってそうな気がするけど」


「そうですね?私もそう思ってました」


「行かない行かない!仕事で忙しーの、行く暇ないよ」


 手のひらを顔の前で左右に揺らすナウ。苦笑いのような不思議な笑み顔に出して、忙しいと言いつつも少し嬉しそうだ。


「へー、じゃあ水着とかって?」


「着ないよ、だからこうして見てるのも新鮮で面白くてね」


 まじまじと、なんでもない今たまたま手に持ってた水着を眺めるナウ。そのうっとりしたような表情を見て、ツチノコふと思いつく。そして、トキに耳打ち。


(トキ、私のばっか見ててもアレだしナウに似合いそうなのも探そう)


(あ、面白そうですね?よし、やってみましょう!)


 こうして、ツチノコの水着探しと並行してナウの水着探しも始まった。





「あ、これちょっといいかも」


 トキが棚から抜き出したのは、上は普通の三角ビキニ、下はホットパンツ型というタイプだ。上も下も白を基調としており、下は紺色でヤシの木の模様が入っている。


「ナウさーん、こんなのどうですか?」


「えー?ツチノコちゃんに・・・うーん、あんまり似合わないんじゃないかな?」


「いえいえ、ナウさんですよ。たまには着てみるのもいいんじゃないですか?」


「え、ええ?僕?・・・うん、それもいいかもね。よし、試着してみるよ!」


 ナウはトキから水着を受け取る。



 それから試着室に入り、数分後・・・



「どお?ちょっと恥ずかしいね」


 くるりと一周回ってみせるナウ、様になっている。


「おおー!いいですね!」「うん、似合ってるんじゃないか?」


 トキとツチノコが口々に言う。えへへと笑って、頭を搔くナウは次第に気分がアガってくる。


「そう?そーお?嬉しいなぁ」


 調子に乗るナウ。嬉しがる様子にこちらも調子に乗っているトキとツチノコ。ここから、ツチノコの水着選びを放ってのナウ人形着せ替え遊びが始まった・・・





 それがしばらく続き、またトキが次の水着を持ってくる。


「こんなのどうです?」


「とりあえず着てみるから、貰うね?」


「はーい」


 ナウがよく見ないで受け取ったその水着。試着室に入ってまじまじと眺めてみる。


「・・・へ?」


 仕返しなのか。渡されたのはマイクロビキニ。もっと布地が小さいやつだ。トキが着たので隠れるギリギリライン、それよりも小さいということは・・・


「これ、スポット出ちゃうよね・・・」


 とりあえず着てみる。意外にも、ギリギリのギリギリを攻めていてはみ出ることはなく、とりあえず着れた。しかし・・・


「あのー、トキちゃーん?これ、すっごい恥ずかしいんだけど」


「へ?知りませんよ、ナウさん着てみるって言ったじゃないですか」


「いや、確かに言ったけどぉ・・・これはいろいろ厳しいからやめるね?」


 ナウが試着室の外にそう伝えた時。いつものトキの声からは想像もできない低いトーンの声が返ってくる。


「・・・逃げるんですか?」


 独特な響きを持ったその声は、ナウの背筋に何かを走らせる。ゾクゾクゾク、と全身に鳥肌が立ち、金縛りのように体が動かなくなる。


「に、逃げるとかじゃなくてそのさ?」


「それ、私に着させておいてずるくないですか?ナウさんはそんなずるい人なんですか?」


 正確にはトキが着るトリガーになったのはツチノコだが、上手く利用してトキが攻める。


「い、いやそんなことは・・・」


 鏡で自分の姿を改めて見てみる。すこしずらせばいろいろ見えてしまう布の配置、それを固定する紐が食い込む自分の肌。凝視なんてできない恥ずかしさが出てくる。

 と、そんな時に外から別の声が。


「なあトキ、流石に・・・」


「うー、私だって恥ずかしい思いしたのに・・・でもツチノコがそう言うなら」


 ツチノコの声。外から聞こえた感じだと、トキも諦めてくれたようだ。一安心、ふうとため息をつく。


「ごめんなナウ、代わりに布地多いの持ってきたから」


「いいよいいよ、元々僕の意地悪のせいだし。ありがとね?」


「いや、こっちは気にしないでくれ。下から入れるぞ?」


 そう言って、試着室の扉の下の隙間から差し出された水着。全体的に紺色で、布地も多い。これなら恥ずかしくない・・・はず?


「あれれ?これって・・・」


 持ち上げてみる。やはり、というかなんというか・・・別の方向に恥ずかしいものだ。


 スク水。


 スクール水着の略であり、学校の水泳などで使うために露出を抑えた水着。マニアックな一部の人に人気があり、こうやって水着売り場に置かれてあることもある。それは所詮なんちゃってのスクール水着を模した偽物だが。


「ねーツチノコちゃん?これも恥ずかしいんだけど〜?」


「それなら布地も多いし大丈夫だろ?ほら、さっきトキが渡してたのにしたら、さ?ほら・・・」


「ツチノコ、そんなに笑っちゃったら可哀想ですよ、確かにちょっと面白いですけど・・・フフ・・・」


 ・・・わかってやってる!?





 五分後。

 顔を真っ赤にしてスク水を着用するナウの姿がそこに。


「あはは!似合ってます、可愛いですよナウさん!」


「ぷぷ・・・うん、可愛い可愛い」


 ナウも涙目になってしまう。20代後半にもなってこんなものを着せられたら確かに恥ずかしいだろう。しかし、ぴちっとしたその水着により強調される肌やその恥ずかしそうな様子まで含めてなかなか・・・エロいことになっている。


「ねえ、もう脱いでもいい・・・?」


「それ、ナウさんに買ってプレゼントしますね!」


「いらないよ!」



 その後、ツチノコの水着もいい感じのものを見つけてレジに運んだ時・・・そっと、カゴの奥に入る紺色の影があったとか。


 今回はちょっぴりイレギュラー、たまにはこんな非日常も。

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