第6話

三日目の朝

私は起きてすぐ、肩に何かが乗っているような感じがした。それは、なんでもないだろうと思っていた。その日は、いつも駅にいる友達が来ていなかった。その友達は、私にとって元気の源をくれる中学校時代の同級生で、とある進学校に通う女子だった。私は、とてつもない孤独を味わった。それだけではない。もう、誰かといるだけで孤独だった。学校に来てすぐ、泣きたくなった。でも、周りに迷惑をかけたくないという思いが強く、堪えていた。しかし、その堪えは私の心の限界に達したようだった。私は、とてつもない吐き気に襲われ、一校時目はなんとか受けたものの、二校時目の体育は見学した。 私は、抑えきれない吐き気と込み上げてくる思いが消えず、保健室に駆け込む。熱を計ると37.3。もう帰れと言われたほど熱が出てしまったようだ。私は、この時間帯で帰りたくないと、一時間休んだ。しかし、状態は悪化し早退させられた。私にとっては少し好都合だったが、それよりも、孤独感が増幅して言ったような気がした。


家に帰ると、親がひどく心配していた。というのも、私がスマホを学校に置き忘れたせいだ。早退になったのも授業中でロッカーの鍵をそっと教室に入って取るという高度な行動はできるはずもない。孤独感が増すだけだから。私は、自分の部屋につき、ある曲を聴いていた。その曲は、とあるアニメのバンドが歌っていてそのボーカルの男子の声は私の好きな声優さんが演じていた。その曲の歌詞を見たとき、不意に涙が流れた。本当にそんな人がいたら、この思いは消えるのかな。反射的に思った。


しかし、それは一時的だった。私は、学校を休む理由を考えていた。歩道橋で頭を打ち、転がり落ちる。熱を出す。もう私には、学校に行くことさえ、だるくなっていた。

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