第5話

学校が始まってから二日が経った。私は、なんとか気持ちを立て直し、いつものように友達と話していた。だが、どこか感じる違和感。友達がそばにいるはずなのに、どこか一人な気がする。あんなに笑っていた日々がいろいろ壊されていく感覚。学校へ行く意味さえ失われているような。元カレが視界に入るたびに孤独に感じる痛み。自分には居場所がないのでは。自分は生きている意味がないのでは。自分が死んだところで誰も悲しまないのでは。心の底で湧き上がる負の波。近くにどこかのカップルを見かけるだけで、胸が痛くなるつらさ。


そして重なる偶然。次の日は出前講座という大学の先生方がやってくる二時間の講話だった。私は、なぜ選んだのか覚えていないが、アニメの翻訳についての講話らしい。その名簿と場所を見たとき、ハッと息を飲んだ。私の名前の次に元カレの名前があった。名前を見るたびに、胸を締め付けられる。そして、気まずい。私は、どうか出前講座の時に元カレを思い出さないように努めようと思った。

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