第4話

別れようと言われてから二、三日は、友達と元カレの愚痴を言っていたり、ラインのメッセージで表現していたりしていた。もしかしたら、会えないことを理由に別れたことを実感していなかったのかもしれない。でも、それでも元カレに会いたくないのを理由に学校には行きたくなかった。学校に着くと元カレはもう来ていて、必死に目をそらした。元カレの席は隣の隣なため、隣を見ると視界に入ってくる。私は、そのたびに自分の心が締め付けられた。本当は欠点なんてないのに、何かと悪いとこを見つけて表現する自分に嫌気がさした。そして、もう二度と彼と話すことができない現実を突きつけられた。込み上げてくる自己嫌悪と寂しさ。学校では、こらえるのに必死だった。


それでも私は、今日学校に来た意味を思い出す。私は、友達に会うためでも元カレに会うためでもない。私は、夏休み中に借りた本を返すためだ。私は、放課後になると、図書室に駆け込んだ。案の定、司書の先生しかいなかった。私は、本を返却しまた新しい本を探した。そこには、新書がたくさんあって、どれにしようか迷った。しかし私は、とあるアイドルの人が書いている小説と、とあるベテラン声優さんが書き下ろした小説を手に取った。二冊では足りない。私は、どこか寂しさを感じていた。もう一冊本を借りようと探していたところ、一冊の本に目が止まった。その本は、ユーチューブで聞いたことのある曲のタイトルと同じだった。私は、満足げに借りると、司書さんに呼び止められた。

「◯くんのもあるよ」

それは、とある有名な声優さんの名前で、その本も借りるかどうか迷ったが、すぐ借りてすぐ返すが私のモットーだったため、やめといた。それは、私にとって学校の中の居場所と感じた。


家に帰ると、失恋ソングを歌いながら泣きじゃくった。自分の部屋に行くと、溢れ出して止まらない。私は、耐えられなくなり、いつもの癖で男友達にラインしていた。男友達は同情してくれて、それだけでも涙が出てきてしまうのではないかというほどだった。

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