究極のエコ活動


 現在、我々が行っているエコや省エネといった活動は、無意味とは言わないが、焼石に水と言わざるを得ない。

 少々の節約やリサイクルで地球環境の悪化を止められはしない。


 もし本気で地球環境を守ろうと思うなら、文明を産業革命以前まで戻さなければならない。

 それも今すぐにだ。


 当然、こんな話を真に受ける人間はほとんどいないだろう。

 人間はそれほど賢い生き物ではない。

 このままの勢いで経済活動を続ければ、数十年後には人類衰退の危機が訪れる。

 それが薄々はわかっていても、目先の便利さと豊かさを選ぶ。

 いよいよというところまで危機が迫ってこない限り、人は変わらない。変われない。

 

 では、偉そうにそんなことを言うお前は石油も電気も使わず江戸時代のような生活をしているのかと問われれば、そんなことはない。

 私もまた、便利さと豊かさを享受する人間の一人だ。

 そんな私が何を言っても、まるで説得力がない。


 自身の言葉に説得力を持たせるには、行動で示さなければならない。

 よって、私は究極のエコ活動を行うことにした。

 

 それは、何もしないことだ。


 エコ活動をしないという意味ではない。

 文字通り何もしないのだ。


 食べることも、息をすることも。


 エコや省エネは特効薬ではない。

 その場しのぎの応急措置に過ぎない。


 本当の意味で地球環境を守ろうと思えば、すべての人類を抹殺するのが一番だ。

 地球を汚す人類がいなくなれば、自然は自ずと蘇る。


 しかし、私に他者を殺す権利はないので、消えるのは自分だけにしておく。

 

 これで私の言葉にも少しは説得力が付くのではないかな。

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