広がる景色

勝利だギューちゃん

第1話

空を見上げる。

鳥が飛んでいる・・・


鳥を見れば、多くの人は思う・・・

「自由に空が飛べていな・・・」と・・・

人に限らず、陸上生活をしている、殆どの動物はそうかもしれない・・・


でも、鳥はどう思っているだろう・・・

「悔しかったら、空を飛んでみな」と、文字通り見下しているか・・・

「羨ましい?こっちだって、飛ばなくて済むのなら、飛びたくない」と、

嘆いているか・・・


まあ、鳥の気持ちなんて、どうでもいい・・・


空は繋がっている・・・

世界中のいたるところで、空は地上を見下ろしている・・・


でも、その空は都会では、程んど見る事が出来ない。

どっちを見ても、高層ビルばかり・・・

空は申し訳なさそ程度に、その隙間から顔を出している・・・


「ねえ、空は何色?」

「空は空色?」

「だから、何色?」

「空は空色・・・他に答えようがない・・・」


空は青いのが常識だが、この都会でとても青には見えない。

人の心の汚さが、映し出されている。

なので、「空は空色」と答えるのが無難だ・・・


俺には都会の空気が合わない。

なので、出て行きたくなる・・・


俺はそんな時、ビルの屋上に昇る。

しかも、夜中にだ・・・


そうすれば、目の下に夜景が広がる。

人の温かさを感じる・・・

それを見れば、「ここも悪くない」と、思える・


まあ、受け入りだが・・・


この場所では、同じことを考える人が集まってくる・・・

何回が来ると顔見知りも出来る・・・

その殆どは、俺と同い年が、年配の男性であるが・・・


いつしか、どちらかともなく、缶ビールを持ちこむようになった。

そして、その場にいる人に、全員に配る・・・

そして、無言のまま乾杯をし、皆でビールを飲む・・・


それが、日課となった・・・


「明日も、がんばろう・・・」


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広がる景色 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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